ひときわ喧しい音を鳴らし周りの音を飲み込んでしまう割には、非力なこの機械では埒があかなくて、結局のところ道具と道具とをぶつけてしまった方が、見てくれは悪いものの思い通りの結果に近づくものだ。
丁度良いこの路地を手でいったりきたりしているとだね、このレールを歩くことになんの意味があるのかな、とふと思ってしまう。
きっと便利な代物として誕生してきたのだろう。
君は時代の寵児だ。
基本的な機能はそのままに姿、形を変えていき、愛され続けてきたとおりに、僕も好きだよ。
いやいや、これは君が嫌いだからじゃないよ、労いというといささか偉そうに聞こえるから適切ではないし表現が好きではない。
誰もが疑わずにやっていることとは違うことをやってみたくなっただけだよ。
はじめはいいのだけれど、勢いも新鮮さも、景色も鮮やかに見える。
やがてはがたがくる。
創造主はかつての姿を彫像にし、足したり省いたりして強い存在感を維持するものだが、君は根本は変わらない。
君は真に愛され続けてきたのだろうと思うし、僕もそう思う。
あんなに鮮やかだった色が一色、一色と欠損していき、まとまりのある色に変わってきて正体とはなんたるや、、、本質に近づいたように思えて結局のところ何もわからない、ただカテゴライズし、レッテルを貼ったに過ぎない。
このチョークの煙が輪郭を消す。
この煙の先に光があるのだけは見える、ただそれだけ。
時にあの不愉快な音が聞こえてきて、いろいろとどうようしようもないことを深く考える。