bow's Design(ボウズデザイン)

クラゲのイラストレーション

日記「そんなあほな」

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まあた急にこんなところへ呼び出しやがって、一体なんだというのだい??
あんたは誰だい??ばあさん。
なになに?この扉を開けたいが怖くて開けることができないとな。
引き戸の玄関を入ってすぐ左手に戸がある。
ここだけやたら傷んでいて戸の板はばりが出るほど傷んでいてのぶはざらざらになって錆びようとしている。
何が怖いのか分からないが、いや、開かずの扉のようでちょっと怖い気もするが、ばあさんや、開けても良いのかい??と尋ねると、扉の方へ体を向けるも目は合わさないように、罰当たりな行為を許してください、と言わんばかりの表情を浮かべ、曲がった体をこくりこくりとやる。
そう思うものを僕にやらせるんではないよ、と思いながら、のぶを握って捻って引っ張ってみたところ、案の定硬い。
力に任せて二度ほど引っ張ってみたところ、木の粉を舞い上げその戸は開いた。
目前に現れた部屋というのは特段変わった様子はない。
玄関左手にある和室に繋がった縁側の廊下に繋がっているだけであって何が怖いのかが良く分からず、首を傾げてしまった。
ばあさんや、なあんにもないよ、あるのはこの古びた木箱だけさ、とその箱をぽんぽんとやって見せた。
どうやら手作りの木箱のようで、丁寧に作られているところを見ると、職人技のように窺える。
無意識であったが、両の手で箱の蓋を持ち丁寧に開けてみたところ、かんなやのこぎりや金づちや釘が綺麗におさめられていた。
しかし、長い時間手入れされていなかったせいか、刃の部分がそこそこ錆びていて使い物にならない。

ごめんくださいよ。
と、一人の客人がやってきたが、風貌がとても胡散臭い。
なんだこいつは…
こんな田舎の古家屋のばあさんに、流行という流行を身に纏った都心部にいそうなこのちんどん屋は一体なんなんだ…??
ばあさんや、お取込みのところすいませんがね、その箱とその箱、もらっていきますぜ、と言う。
そっちにもあったんかい、上り框にも同じ箱が置いてあった。
この胡散臭いちんどん屋は拙僧もなく、のそのそ体を左右に揺らしえらそうに入ってきて、その箱とその箱をよっこいせと言って持ち上げ、そのまま出ていこうとするのをばあさんが腕をつかみ止めようとするから、状況が良く分からないが、この気に入らない胡散臭いこいつよりばあさんを味方して、ちょいとお待ちよちんどん屋ってなもんで、そいつの腕を掴もうとしたら、ばあさんの腕を振り払い走っていきやがった。
待て!っと追いかけようとしたら、苦悶の声が聞こえたからその方へ目をやるとばあさんが心臓を抑えうずくまっているじゃないか…
そうなりながらも、あいつを指さすから、あっちも気になるし、こっちも気になるし、どいだけ安全確認しても安心できない状態になりながら、玄関を飛び出てあいつの行方を追った。
そしたらいかつい車に乗り込んで猛スピードで走っていきやがった。
ちっ、と舌打ちをし玄関に戻ってばあさんのところへ戻ったら、意識が遠のいているのが分かる。

まずい、と思ってポケットに手を突っ込んで携帯電話を探したが、そうだった、自分は携帯していないことが多いのに気付いた。
急いで部屋の中を探しまわすも家電もないときた…
周りを見渡すと山という山が見えるだけで、家と家との距離がなかなかある。
仕方ねえ、ということで、ばあさんを背中に背負って最も近い民家に助けを求めることにした。
がたがたのアプローチを抜け、いざ、というところ、目前に突如国道が現れ、びゅんびゅんと車が行き交っている。
山々は高層建築物に移り変わっていて、都心部のように喧しい。
どういうことやねん!
状況が掴めない中、さらに掴めない状況がまたやってきて、辺りを見回していたら、市民病院らしきものが見つかった。
取り敢えずあそこに向かおう!
信号がぴこぴこして赤になりやがるし、都心部の車達は止まることを嫌がる質でやたら席んしてきて、急っついてきやがるから、状況見たら分かるやろ、お前らは止まることを知れや、車をかきわけと怒鳴りながら渡っていた。
ただのロボットには何を言っても響かねえ。
汗だくになりながら、病院に駆け込んで、取り敢えず勘に頼って、最も正解に繋がる部屋の方へ向かった。
そいつはビンゴだったようだが、入り口に立っている女が止めようとしているではないか…
こいつも分からずやかい、ならば、強行突破よ、と突っ込もうとしたら、その女は分かってくれたようで、こちらの駆け足に合わせ案内してくれた。
忙しない足音が廊下に響き渡り、こちらです、と巨大なエレベーターの前へ案内された。
激しく息の上がった状態、頭の頂点からだらだらと汗が垂れ落ちてくる中、その女が巨大なエレベーターの大きなボタンを押すのを見た。
エレベーターの扉が開いて乗り込もうとしたところ、中にあります上のボタンを二回、下のボタンを二回、上、下、下、上、上の順にボタンを押してください。
と言った。
疲れて折れた体を持ち上げ、ずり落ちそうになるばあさんをもう一度背負いなおして
はあ…??そんなあほな…

案の定、鳥のさえずりが聞こえ、目を覚まし、頭を掻いた。
うすうす気付いているわけだが、このわけのわからないオチまでアクターしているのはなんなのか。。。
あまりにも現実離れした状況に、突如現れてくるキャラクターに、瞬間瞬間にやけてしまっているのも憶えているが…
時計を見てみたら眠りに入って30分と経っていないではないか。
目もさえて、あっちの世界で僕は何を頑張っていたというのだ。

今日の作業用BGM

Chara / Sympathy

 

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