理想と現実。
イデーは大きく、美しく、汚れなく、
自分にとって完全なもの。
現実は、常にそれとは大きく乖離したところにある。
そこに向かって、距離が狭まり、重なるように。
必死になる。
過度と思えるくらいに執着する。
イメージは美しい。
柔らかい。
無重力状態の中で宙に浮く、
水の塊のよう。
ふわふわと浮き、形を変えながら、水の中に
映像を映し出す。
手に届くときに、その形が分かる。
ここまでの道のりを、冷静に振り返り、
間近に映像を見たときにはじめて、その形が分かる。
過度な執着心は禁物。
初めのきっかけはよいかもしれないが、
道中は様々な妨げになる。
錯覚に陥り、騙されるかもしれない。
とはいえ、その執着心を捨てきれないことがらがあって。
どうでもよいことならば、どうでもよいかどうか、判断の天秤に
かけることはできるのだけれど、どうしても、それができないものもある。
形を決つけにいっているのかもしれないが。
自分の理想を押し付けているのかもしれない。
けれども、当分の間、この執着心から逃れることは、
難しいだろうな、と思う。
人の人生。
けれども。
現在はただただ無念と感じるのだ。