bow's Design(ボウズデザイン)

木に扉 写真

日記「距離感を見誤る」

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ドスンと尻餅をつき、その強い衝撃の後に受け身を取ったときについた手の痛みがやってきた。
その手を眺めながら少々現実を受け入れ難い感覚に見舞われた。
一ヶ月ぶりに招集がかかったのでトレーニングに赴いた。
長く期間が空いたので、ついていけるか少々不安ではあったが、普段からそれなりに動いてはいるので(高台に飛び乗るとかね)まあ大丈夫であろうと踏んでいたのだが…

日記「落ちたら鮫に食われる」


現場では体が踊るように動く。
小走りも軽やかで、重機も問題なく持つことができる。
少々抱いた不安を忘れているくらいに軽快に動いてくれる。
作業も半ば、その頃に異変に突如気付いた。
腕が重たくて上がらないことに気付いた。

とはいえ、久しぶりにしては物量が多かったので仕方がないと考えた。
後半、脚立に乗り作業をしていた。
作業を終え、下ろうとしていた。
慣れ、もあるが、横着をして、感覚で足を落としていて、それで上手く降りていたのだが、足を下ろして段を探すも見つからない。
ここで下を見て確認をすれば良いのだが、感覚を信じて、横着心を優先して、足を”くいくい”とやって段を探し続けた。
いつまで経っても見つからず、そうしていたら軸にしている足に振った足の力が伝わってしまい、軸足のバランスが崩れた。
そして体が大きく傾いた。

こういった時、いつも不思議に思うのが、自分が客観的に目に映り、スローモーションの映像を見せられる。
そして、その映像にコマンドが浮かび上がる。
「どうしますか??」と。
落ちることはどうやら免れることはできそうになかったので、落ちることを選択した。
ドスンと尻餅をつき、手を見て思った。
年齢を経るにつれ軽々しく「老い」という言葉を使って笑ってはいたが、こうにも身にしみて「老い」を感じたことは初めてであり、笑うことができなかった。
何より、驚き、の感覚が強かった。

痛い手で痛くなった尻をさすりながら外へ出たところ、強い風が駆け抜け、落ち葉がからからから…と言う。
びゅっと冷たい風が吹き抜け、体と手と尻を震わせた。
木枯らしかよ。
翌日はぐっと寒くなっていた。
冬の到来のお告げであった。

もう少し運動しなくちゃね。

今日の作業用BGM

風のメルヘン / サーカス

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