bow's Design(ボウズデザイン)

残り火 イラスト

日記「残り火」

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空を見上げれば雲がひとつも浮かばない快晴。
あらゆる形をした黒の隙間から鮮やかなブルーが顔を覗かせている。
黄金に照らされた地面に足を踏み入れ、次の足を踏み込む手前、強烈な光が僕を多い囲み、体内の血液が一気に沸点に達し、ぐつぐつとしゅわしゅわとし、白かった視界が本来見えている色に景色が戻った時、何やら遠い昔の古代の野生的な記憶が回帰しそうな気分になり、夏が近いことと、今年の夏も、なかなか、であることを悟らざるをえない。

焚き火 イラスト

一瞬回帰した古代の記憶も、はや現代に到達し、過去の記憶として、頭の遠く片隅に追いやられるも、体の中で沸騰した血液の中に生じた気泡のようなものが這っており、それに呼応するかのように体が反応し、動き出す。
本来僕という人間は多動的であり、呼応しやすく、反応しやすい。
それが強くて、激しくて、美しいものであればなんであれ、更に強く呼応し、反応を示し、自身も強く燃えるものがあった。
しかし最近というもの、興味がないものには全く反応を示さず通り過ぎていく。
何層にも重なって燃えている炎の核のようなものが見えないものには、情熱のようなものが芽生えないのだろう。
表面の層がごおごおと波打っている隙間を見つめてみたところでも、見えないのは、きっと忘れ去られているのであろう。
そういうものには、全く興味を持つことができなくなった。

焚き火の写真

まだまだ先のことであろうが、僕が灰になるところは、おそらくここではないのであろう。
くべることができる薪はもう数えることができるほど限りがあるものになってきた。
自然的に、穏やかに燃え尽きて灰になることを願っている。
いくもの灰が僕の目前を穏やかに舞っている。
役目を果たし、自然に還っていくように。
私たちへの道しるべを。
新しい明日のために。

今日の作業用BGM

Kiasmos – Held

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