頭をやや斜めに傾け、歯をぐーっとくしばって、薄目で手元にある紙を見ている僕は、ただいまパステルを使って描いているところで、どうもパステルと紙が擦れる感覚が苦手なのだ。
黒板を爪でひっかくような…
考えただけで耳を塞ぎたくなるが、黒板と指のイメージが頭に刷り込まれているから、イメージすればするほど頭の中であの嫌な音が鳴り響く。
大変原始的ではあるが、生き物は見えない何かに影響を受けるものだものね。
五感が鈍化している現代人とは、知らず知らずのうちに良くも悪くも影響を受けているのかもしれないね。
音は幾何学を描くものだものね。
テクノロジーは無理やり引っ張りだそうとするのかな。
毎日の寝起きは、訓練のようなもので、それによって目覚めたことを理解するものだものね。
目が薄っすらと空いてここはどこだ??と辺りを見回すのは、ありゃあ、生き返ったことを未だ理解していないところだ。
時間を経て自分が自分であって、自分の続きであることを理解する。
毎日自分たちは死ぬ予行演習をしているし、過去の過ごした時間の多くが薄らぐのであれば昨日の自分とは違うのやもしれない。
今日の作業用BGM
くるり / 奇跡