bow's Design(ボウズデザイン)

夕焼けの写真

日記「勝手にしやがれ感」

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不安定な天候が続いてかなわんですね。
去年も台風の影響で長い時間電車に閉じ込められ、結局そのまま運転を見合わせ、歩いて帰った記憶があるが、今年も散々だった。
三度??やってきたのか。
見事に三度の台風によって足止めを食らう。
どしゃぶりの雨と横なぐりの雨とで服はびしょびしょになるわ、夏だというのに凍える寒さだった。
電車は見合わせてるわで、徒歩に移動を試みるも、なかなかの風量でスムースに歩くことができない。
街のあらゆるものがなぎ倒され、あたりが妙に暗く不気味だった。
よく見てみれば、信号やコンビニの灯りが消えていた。
街は区画によっては停電していた。

雨の足元の写真

そういった甚大な被害に比べれば、僕のびしょ濡れ冒険記など、大したことではない。
歩くことができるのならば、気長に前に歩いていけばいいや、と。

とまあ、バタバタとして日々を過ごさせてもらっているのだが、先日のこと。
約束の時間まで少し早く目的地周辺に着いた。
じっと立って時間を潰すにも、少々時間がある。
あまり歩いたことがない場所だったので、少しぶらぶらして時間を潰すことにした。
少し歩いたところに、喫茶店があったので入ってみた。

年季の入った木製の扉を押すと「カランカラン」とウインドチャイムが店内に鳴り響く。
空間は広く、空間の真ん中には大きなテーブルがある。
その上には各社の新聞が丁寧に並べられていて、店の眼鏡をかけたおかみさんが、難しい顔をして読んでいる。
いい感じである。

席につき一息をいれたところ、良いタイミングがおかみさんがお冷やとおしぼりを持ってくる。
オーダーを通すとすぐさま背中を向けて厨房に向かう。
店内を歩く軌跡には一切の無駄がない。
何年も歩いてきたのだろう。
注文した珈琲とおまけなのだろうか、レトロなお菓子が僕のテーブルの上に置かれる。
無愛想だが、非常に丁寧である。

置き終えるとすぐに元の大きなテーブルに戻り、難しい顔をして新聞を再び読みはじめた。
いい感じである。
この勝手にしやがれ感。
すごく居心地が良い。

wi-fiなどもちろん設置されていないだろうから、いそいそとパソコンをタイピングする音も聞こえない。
静かな空間に響くのは、カップとカップのお皿がなる音、そして新聞をめくったときにでる紙の音。
珈琲を飲み終えて会計の準備をしていたら
「緑茶はいかが??」
と新聞ごしからこちらを見て声をかけてきた。
「いただきます。」と一礼を入れてお願いした。

また無駄のない軌跡を描きながら、珈琲と同じように無愛想にテーブルの上に緑茶の入った湯のみが置かれ大きなテーブルに戻っていった。
組み合わせに少々の違和感を感じながらも、改めて落ち着いた状態でいただいた緑茶は美味しかった。

普段歩かないところには、面白いことがある。
また行きたいな。

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