黒の革のライダースジャケットにジーンズに黒いレンズのグラサン。
ロックなテイストの女性の手には、淡いピンクの日傘が持たれていて、
「なんでやねん」と心の中でツッコミを入れる。
あったかくなってきて過ごしやすい季節になったな、と思いきや、
汗だくになるくらい暑くなって、「なんでやねん」と天候にツッコミを入れる。
そうかと思ったら、雨が続き憂鬱になる。
傘は幅をとる。
にも関わらず、傘がない生活のように人々は公道を行き交う。
近年では、スマートフォンの合わせ技。
傘の端が頭をかすめていく。
スウェーでかわす。
本当に腹が立っているのだ。
判断の迷いなのか、頑ななのか。
この限りある道なのに、そうまでして横に何列にもなって歩く必要があるのか。
まるで軍隊の行進のように、綺麗な列を維持し、崩さないように人々は歩いていく。
前後という牌もあるのだ。
非常に滑稽で、にやけてしまう。
人が行き来する中での傘は大嫌い。
雨の中、移動するのは大変ストレスだ。
この滑稽な人々の動きを遠目で見ているのは楽しいが。
ただ傘そのものは好きかもしれない。
傘に施された様々な模様。
歩道橋とか、少し高いところから雨の日にいろいろな傘が行き交う光景は
楽しい気分になる。
ちいちゃな子どもが雨の日フル装備の姿もいい感じだ。
楽しそうだ。