bow's Design(ボウズデザイン)

空の写真

日記「武道家」

広告

この一週間は、かなりバタついていて少々疲れていた。
朝から晩まで出ていることが多く、制作にかかる時間が圧迫されてしまい、
時間の使い方に少々苦戦してしまった。
取り敢えず、今週を乗り切って、十分に寝る時間を確保しよう、と考えていた。

朝の始発の電車で戻ってきて、少し仮眠をとって準備をして出発。
現在鈴蘭台にてオープンに向けてデザインでお手伝いさせていただいているイタリアンレストラン「NOBU’S KTICHEN」さんへ。

神戸 鈴蘭台 イタリアンレストラン NOBU’S KITCHEN(ノブズキッチン)

[blogcard url=”https://www.bows-design.com/?p=7449″]

サインを設置するため、店舗デザイナーのgio design(ジオデザイン)の山本氏に同行いただき、現場調査へ。

神戸の兵庫にある店舗デザイン事務所 gio design(ジオデザイン)

[blogcard url=”https://www.bows-design.com/?p=2864″]

サインや看板などのデザインをご依頼いただいた場合は、いつも彼に協力をお願いしている。
デザインはできても、建築についてや、設置する際の知識は持っていないので、デザインや設置まで面倒を見てもらいながら制作をしています。
そのおかげで、分かるようになっこと、理解できるようになったことも多々あり、大変感謝です。

そんな彼と鈴蘭台駅で合流し現場へ。
山本氏はサイン設置面の寸法を測っていた。
僕はオーナーのノブさんとお話をしていた。

「ガタガタッ…!!」

と大きな音が聞こえたので、そちらの方へ目をやると、左肩を抑えた状態で山本氏がうずくまっている。

「…ッ!!」

突然の出来事に状況が把握できなかった。

「どうしたん!?」

推測するに職人さんが作業中だったので、邪魔にならないような形で寸法をとっていたので、無理な体勢もあったから、体のどこかがピキッとつった状態になったのかな、という風に見ていた。

「大丈夫!?」

「・・・!!」

再度、声をかけてみるが返事がない。
彼の様子を見ながら、状態が落ち着くのを待っていた。
かなり痛そうだ。

「・・・はずれた・・・!?」

風に消されてしまいそうな声で、状況を話す。

「はずれた・・・??なんだ・・・??もしかして・・・」

「脱臼した・・・!!」

心の中で「えらいこっちゃ!!」を合図に怒涛のような時間を過ごすことになる。
変な体制による採寸によって、体がつってしまったのだ、程度に思っていた僕はといえば、彼には大変申し訳なく、悪いのだが、同じ体制をそこそこ長く続ける彼を見て後半は内心少々ニヤついていた。
笑かすなよ、沈黙のギャグをやめてくれ、などと。。。いや不謹慎で申し訳ない。

近くに幾つか病院があることを教えてもらって、治療してくれる病院を探しにかける。
1件目はだめ、2件目もだめ、3件目。
事情を説明すると、治療はできそうだが、混み合っているため、すぐには治療をできない、とのこと。
いろいろと尋ねてみるが、要領を得ない回答ばかり。
どころか現状において全く意味のない質問をしてきて、少々イラつく。
愚かなことではあるが、語気を強め、こちらの伝えたいことを伝える。

gio design 山本氏

いろいろなやり取りがあって、ようやく治療してもらう流れになった。
上半身をコルセットでグルグルになった、中途半端なミイラ男のような山本氏が治療を終わって出てくる。
多少の痛みは残っているが、先ほどの苦痛に歪んだ表情は落ち着いていた。
最中というのは、唇の色が紫色に変色し、皮が乾燥し、顔の色が悪く変色していたのだから。。。
少々ニヤついてしまっていた自分の心に自戒を。。。

処方箋で薬をもらい、ひとまず安心。
と言いたいところではあるが、完治までに3週間ほどかかるそうだ。
仕事に影響が出そうだな、、、と心配していたところ、
「飯食いに行きましょうか。」と先ほどの悲壮に満ちた彼とは打って変わって、いつも通りの元気な山本氏に戻っていた。
グルグルのコルセットで左腕は固定されていて、この中途半端なミイラ男は、元気よく遅めの昼食へ行こうとしている。。。

「お・・・おう・・・!」

駅近くにある「あうん」という喫茶店に入って昼食をとることにした。
かつては和食屋さんだったのだろうか。
和の空間に和のインテリア、洋のインテリアが所狭しと並べられている。
それらがいがみ合わずに調和し、独特な雰囲気をかもしだしている。

ご夫婦で営んでいらっしゃるのだろうか、素敵な旦那さんと奥さん。
由来は「阿吽の呼吸」からきているのだろうか。
絶妙なタイミングで自分が欲しいものが出てくる。

そんな空間で先ほどのドタバタの時間を癒すため、しばし談笑。
彼は近々家族でUSJに行く予定だったそうだが、中止になりそうだ。
だが、このまま行っても面白いかな、ほんまやね、絶叫系やたら既に固定されてるから2倍安全やしね、おい、馬鹿にするな、などと語らいながら、注文していた料理がテーブルに届けられる。

彼の注文した料理が先に届けられたが、僕の料理が届けられる前に彼は、いや、ミイラ男は「美味い美味い」と平らげた。
さっきの苦痛に満ちた表情は嘘だったかのように。。。
確かに美味い。

感じの良い奥様で時折僕たちに話しかけてくださる。
「和は好きですか??」という問いに、好きですとお返事。
奥様は意外そうだった。
どうやら風貌からそう思われたようで、僕を褒めてくださる意図で「〇〇のよう」と話してくれたが、それは僕にとっては不美味だった。
「こちらの武道家さんは・・・」

と、山本氏をさし、話はじめたが、その後の話が頭に入ってこない。

「武道家・・・??」

水墨画風な

(武道家ではないが。。。こんなイメージなのか。。。)

関西人特有のボケなのか??
吉本新喜劇的なノリツッコミをするべきなのか??
奥さんの表情を見ると、いたって真面目である。
ボケ、だとすると大変高度な技である。

これが本気の質問だったならば、どこから「武道家かな??」と判断したのだろう。。。
時折この店には武道家がやってくるのだろうか。。。
「武道家・・・??」
グルグルに巻かれたコルセット??
道場破りの立会いの後の武道家の昼食姿・・・??
まったくわからない・・・。

「武道家・・・」
これがわからないまま店を後にする。
とても雰囲気がよく居心地がよく、料理も美味く良い店だった。

数時間の濃密な時間。
久々に後半はテンパった。
何より今日一日隣にいた武道家さんは大事なくて良かった。
完治するまで何か不自由があるのならば、お申し出いただきたい。

武道家・・・

Reveille / What You Got

ブリード・ザ・スカイ

中古価格
¥1,936から
(2018/11/15 19:28時点)

Information

店名喫茶「あうん」
住所〒651-1112
兵庫県神戸市北区鈴蘭台東町1丁目12−14
広告
 
ページのトップへ