bow's Design(ボウズデザイン)

雑貨の写真

見てたよね??

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今日のリュックはいつもの何倍も重い。
古本屋で資料を探していたら、思わぬ掘り出し物。
しかもかなり安い。
ただ、めっちゃ大きくて、めっちゃ重い。

でも、この機会を逃すともうないな、ということで購入。
リュックに収めるのもなかなか大変で、
リュックの形がくっきりと四角になっていて、
甲羅を背負っているように見える。

なかなかの長旅からようやく家に近くなったころ、
エレベーターを降り、踊り場を抜けた長い廊下に
たまに白い猫がまったりとくつろいでいるところに
出くわす事がある。

なかなかの敏感さ。
5戸ぶんのドアの距離くらいある先からこちらの気配を感知し、
こちらの様子をそのままの態勢でじーっと見ている。

こちらの心境は
「・・・!!なかなかのやり手・・・!」

足音は地面と靴がくっついた僅かのはず。
それを気付くとはなかなかのやり手である。
いつもなら、気付かれぬうちに敵の背後につき、
そして「わっ!」と驚かし、びっくりする様を腹を抱え
笑っているはずなのに。

一歩、一歩と距離が縮まっていくにつれ、
緊張が少しずつ高まり、真ん中の空気が歪みだす。
あの白猫はというと、まったりとしていた態勢を
徐々に高め、まばたきもせず、こちらの出方をうかがっているようだ。

僕はというと腰に携えた刀に鞘に手をやり固定しながら、
じりじりと距離を縮めていく。
お互いの間合いまであと少し。
右の手を刀にやり、柄をゆっくりと握る。
圏内だ。

柄をぐっと握る。
生きるか死ぬか。
抜刀のタイミングを間違えれば死あるのみ。

風が吹き、一枚の葉っぱが真ん中に舞った。
今である。

僕は、猫を見ながら、家のドアのノブの手をぐっと下におろしたと同時に、
白猫は扉の中に入っていった。
かわいいなー、なんて思いながら、ドアを引き、もう一度
白猫のいた方に視線をやってみたら、ドアから顔を乗り出し、
僕を見ていた。

君は僕にふれさすこともないだろう。
僕も君も気になってはいるのに、
近づくこともふれさすことも許さない。
絶対的な信頼を持つまでは。

なんてさ(笑

Cory Zaradur / More Than Ever

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