突然に暖かくなってきた。
街路樹に植えられている桃の花が元気に咲き、「続け！」といわんばかりに元気な蕾たちが力が入ってふるえているような様子がうかがえる。
春の訪れを感じさせてくれるとともに、その姿は新しい歩みの一歩を後押ししてくれているようだ。

寒さを耐え凌ぎ、暖かくなり羽織りものが薄くなり、身が軽くなり、いざ！という思いと同時にやってくる倦怠感。
気持ちにぽかんと大きな穴が空いてしまったような変な気分が動きを止めてしまう。
疑似科学であるようだが、バイオリズムのようなものがあるようで、この時期はだいたい倦怠感に陥っている。
自分の周囲でもそんな声がちらほら聞こえてくるし、そういった中での問題も聞こえてくる。
分かっていれば通り過ぎてくれるのを、やり過ごしていればいいのだが、なかなかにねばっこくて、もやもやとまとわりつくので厄介だ。
気づいた頃には、そんな倦怠感が無かったかのように一年駆け抜けているのだ。

そんな時に、人の生き様というのは力を与えてくれる。
日々の生活の中でふと目に入る人の美しい姿を見せる瞬間瞬間が、生きる活力を与えてくれる。
開花した春の花のように。
花を咲かせようとする蕾のように。
春の音が。
強い風が吹きかけ、目前を花びらがひらひらと舞い落ちてくるとき、目を覚ましてくれるのだ。
一年の汚れをさらい、新たな一歩を踏み込む力を。

今日の作業用BGM

Chara / ラブラドール