bow's Design(ボウズデザイン)

影 写真

日記「公衆トイレ」

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敢えて普通を選んでゆっくりと目的地へ…
敢えてなんて言っているけれど、その時に丁度列車が入ってきた。
それに合わせて走らされるのはご免だし、着くや否やもう閉めようとするし、乗るんやったらはよ乗れや!もう行くさかい!と急かしてきやがる。
安全に効率良く乗車させるならば、それは止めた方が良いし、おそらくいずれも時間の差はたいして変わらないのでは…??ならば安全に安心にお行儀よくね。
急かされた人々は押し合いへし合い我先と入って椅子取り合戦をはじめるし、手のひらをぼけーっと眺めて日中から酔っぱらいかい??蛇行しながら入っていくやつもいて、あの団子の串に刺さったならば苛立って大変香ばい状態になるであろう。
そいつはご免こうむりたいので、この団子とは一定の距離をとりながら、が吉であって、たい焼きを選択したい。
乗車して見える景色は激しい戦の線上の後のようで、なぜだかみんな息はあがっていて、あちらこちらから曇った声が聞こえてくる。
戦というのは人間の本性のようなものが出てくるようで、ここにはあらゆる人間性が垣間見える。
今は何時代かね??反吐が出るぜ、まあ、しかし乱世であることは相違ないか、なあ君、無邪気な顔をしているが、もう良い年頃のようにうかがえる、そいつはまずいいねえ、保育園児や幼稚園児のような顔をするじゃないか、おっきい子どもはかわいくないねえ…それは野蛮人がやることだよ。
西へ西へ、一駅一駅と越えていくと、ぽつりぽつりと乗客が降りていき、とても静かになっていく。
都心部から離れていくに連れ、窓に映し出される景色も落ち着きを見せ癒され、広大な海に照らされた神々しい光が僕の淀みを包み込む。
まあまあ、怒りなさんな、落ち着きなされよ、ちっぽけなあことなんだよ、レンズを近づけると見たくないものが見えてしまう、ほらほら、レンズをすーっと放して、レンズを取ってこっちを見てごらん、ほら、私だよ、ときらきらお天道さんは無邪気におちゃらけさっきのことを忘れさせてくれる。
こういうのはなんというのか、と考えていたら、開いている活字の山の中に具体的に論理的に更には深くが書き記されてあって、古代の学者というのはもう既にそれらを証明しているのだ。
しかしだ、感情とはどうしたらよいのだ…
目的地の朝霧へ到着した。
久しぶりにこの駅を歩いた。
特に大きく変わった様子がない、しかし懐かしい。
外気と車両の冷気の温度差で少々もよおしていたのでトイレへ向かった。
空いていたところに入り用を足していたところ、真ん中のおやじが屁をこいた。
ああ、屁をこいた、と思うと、いけないが、笑みが出てしまって、ごめん!とおやじが隣から言う。
いやいや、ことらこそ笑ってごめん!って言うと、尻のコントロールが年々効かなくなってきて…とか言うから、自分も年を経てきてコントロールが効かないことが出てきているから、理解を示す返答を、そしたら、奥で用を足しているサラリーマンが分かる!という、なんとも立ち飲み屋で意気投合した3人のおっさん達がおっさんネタで盛り上がっている。
いや、それどころではないのだ。
右方向には待っている順番を待っているおやじがいる。
その方向を見て、ごめんね!と合図したら、大丈夫!と返してくれるが、体がもじもじしているので、早く済ましてあげなければ、と頑張っているものの済まない。
3人いるから、誰かが抜けるだろうと…と思っていたら、突如として静かになり、みんな済ませるために集中をしている。
結局のところ、3人が同時に終わり3人で改札を抜けることになってしまったわけだ。
寛容になる、というのはこういうことなのか、と思いながら、客先へ向かうのであった。

今日の作業用BGM

A Wish…Gregory & The Hawk

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