bow's Design(ボウズデザイン)

キリンのミニチュアの写真

秘宝館というところのお話

広告

これも、ちっちゃい頃のお話。
夏休みだとか、冬休みだとか、そういった季節の節目に親の帰郷で、祖父母の家へ行く事があった。

住んでいたところより、遠く山奥。
車で都心を離れ、山を目指し奥へ奥へと目指し、長い時間をかけて走っていく。

その車中の時間がわりと好きだった。
鉄筋コンクリートの建物はだんだん姿を消し、木造りの昔ながらの家々が密集するわけではなく、ゆとりを持って並んでいる。

それもだんだんとなくなっていき、田畑や未開拓の草花が生い茂った土地が目立ってくる。
川が流れている。
交差する車の量は多く。
何台も都心に向かって走っていく。

お店もだんだんと減ってくる。
ただでさえ、ぽつんぽつんとしかないのに。

車の中から見る道は、一年一年重ねるうちに道順をしっかりと覚えてくる。
距離感。
到着時間。
ほとんど変わる事のない景色がわずかに変わったらすぐ分かった。

この道中いつも気になる場所があった。
ロードサイドにあるとあるお店。
わりと広い土地。
草木に囲まれている。
店舗の外観は色あわせた赤。
建物の上にはピエロを使った大きな看板が設置されている。
中は見られないようになっている。
遊園地のひとつのアトラクションのようだ。
わかる人はわかると思うが、手柄山遊園地の中にある鏡の館みたいな世界観。

ここの存在感が僕の中で次第に高くなっていき、いろんな想像を膨らませた。
ここへ行きたいといっても、親は連れていってはくれなかった。
そう言われると、もっと行きたくなる。

見逃していたが看板には少し小さく「大人のおもちゃ」と書かれていた。
まだまだちっちゃな僕はこう解釈した。
ガンダムやヘリコプター、戦車などの見た事のないプラモデルやラジコンがたくさん展示されているのだ。
僕がふれたことのない「おもちゃ」がたくさん展示されているのだ。
結局、夢叶わず。
結局、おっきくなった今もここへ行ったことはないが、おっきくなった今だからいけなかった理由がわかる。

まだあるのかな。
あの看板や外観。
そしてお店の中。
小さな頃、たくさんイメージしたあの謎を、スッキリさせておきたいものだ。

 

you give me something / jamiroquai

広告
 
ページのトップへ