bow's Design(ボウズデザイン)

ぞうさんじょうろ 写真

date | 2020.12.9 日記「飯テロ」

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お店の店員さんがレジカウンターに入り、エプロンの紐を静かにぎゅっとしばり仕事を始める姿が目に入り、ごくりと息を飲んだ。
職人の所作、というのか、作業をしているときの立ち居振る舞いや、スポーツだとか、趣味にしても、無意識に発動する所作、というのは格好良い。
人の写真を撮ってみたいのだが、ポートレイトというよりも、日常的なありのままの姿を撮りたいと思う。

さて、自分はあまり食に興味が無い。
全くないことは無いと思うが、あれが食べたい、これが食べたい、特に無く、出てきたものなら嫌いなものはともかく、組み合わせや量などが不味くなければ、なんでも美味いと思うし、幸せの食卓になる。
一日一食十分であるし、量も適切が良い。(白米、これは欠かせない。美味い。)
自分の生活スタイルはの中で、机に張り付く多くの時間は夜間であり、夜明けまで続くし、場合によっては、そのまま出発することもある。

そんなライフスタイルの中で、夜中というのは「飯テロ」というものに出くわすこともしばしばで、つい菓子等やカップ麺等に手を伸ばしそうにあるものの、カップ麺であれば調理するのが面倒くさく、菓子等ならば取りに行くのが面倒になり、空腹のことはすっかり忘れてしまっていてそのまま時が過ぎる、というのが、それもまた毎日のことである。
どうしようもなく、カップ麺等や菓子等を食べたところ、これじゃない感が否めず、空腹は満たされるものの、何かが足りない。
この時食べたいものといったら、まさにこってりとしたラーメン、それにチャーハンをつけてがつがつと一気にかきこみたい気分ではあるが、カップ麺を作ることさえ面倒くさいのに、お店まで出向く気力なんてね。

そんなことを考えていたら、すっかり空腹のことは忘れて小鳥のさえずりが聞こえ、どうでもよくなるのだ。
さて、現在の時刻を見ると、丁度小腹が空く時間にさしかかっている。
今日は趣向を変えてこの空腹の時間を楽しんでみようではないか。
片方のモニターに写している音楽や映画を、飯の動画にしながらやってみようではないか、と思い、飯ばかりを集めた動画を探したところあったので、流してみた。

数々と流れてくる飯テロに、ごくり、と飲み込むも、よだれが溢れ出しそうになる。
僕の腹は雷鳴を鳴り響かせ、映像のそれを欲す。
なんとも心を乱せてくれるが、この動画、なんと残り10分もある。
ほお、上等ではないか、ならば、貴様の飯テロの嵐に、耐え抜いて見せてやろうではないか、僕の悪い癖が発動し、戦さ場へと変わり果てるのだった。
瞬き以外は目をそらさず。
この映像は視覚だけではなく、聴覚も刺激し、それらの感覚は臭覚をも覚醒させた。
あらゆる信号の嵐に脳は刺激され、腹に緊急発令を発信し、激しい雷鳴のごとく音を鳴らしたてる。
腹はみるみるうちに凹み、今にも背中にくっつくぞ!という状態である。
鳴り止まぬ飯テロに、ごくりごくりと喉仏をうならせ、空腹に空が滴りおちていく感覚が伝わってくる。

まったく、なんでこのような戦に参加することになったのか、後悔を抱きながら、残りの再生時間を確認したところ、あと1分ほどである。
油でからからと揚げる音、掬い上げられた揚げ物、ぷつぷつと油が踊り、光り輝く狐色の衣、さくっという音と、内部に伝わる咀嚼の音。
夏祭りの花火のフィナーレのような畳み掛け映像であり、よく分かっているではないか、心折れかけそうなとき、映像は終幕。
危うく負けてしまいモニターにかじりつきそうになってしまったが、この戦、僕の勝ちのようで、勝どきの時、えいえいおー!であった。
たった10数分ほどの時間であったが、数時間のように感じたこの無駄に集中したこの時間を返してくれ、と、そう思ったわけである。
この究極を乗り切れば、やはり、空腹もおさまり、すっかり忘れ作業に戻れることになるわけだ。

今日の作業用BGM

シューマン/子供の情景 1.見知らぬ国

 

 
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インターネットの世界の中でも日本。そして神戸の辺りでゆるやかな丘の上にある自然に囲まれたギャラリー。
誰でも自由に入ることができ、これまでbowがデザイン、描いてきたイラストを使った作品や、
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