こんなことがあった。
夜の21時頃にスタートしたとあるプロジェクトの打ち合わせ。
あーでもない、こーでもないとディスカッションをしていて、ようやく一筋の光が見え、これでいこと決まりかけた時、技術的な側面でひとつの疑問が浮上。
すごくシンプルなことなのだけれど、プロジェクトと照らし合わせ掘れば惚れるほど深みにはまってしまい混乱に陥る。
終わった頃には1時を回っていた。
帰るために駅にとぼとぼと歩いて向かっていた。
そのときは、まあ最終電車残っているだろう、と楽観的に思っていたが最終はとっくのとうに終わっていた。
あらら、でももうすぐそこに違う線がある。
すでに駅のホームは真っ暗である。
おう。。。まじか。。。
ここは舞子。
少しだけ歩いて距離を縮めてからタクシーに乗っけてもらって帰ろうか。
そう思いながら、家の方向に向かってとぼとぼと歩き始めた。
電車の窓から見慣れた景色を辿っていく。
ざっくりと把握をしたところの細部を突き詰めていく感じで楽しかった。
ちょっとした冒険。
垂水を越え、須磨にさしかかろうとしていた。
ちょっと足が疲れていた。
そろそろタクシーに乗り込もうか・・・
こんなときに変なスイッチが入る。
いや、ここで諦めるのか??
最後まで諦めずに歩けよ。
心の中の自分が僕に言葉を投げかけてくる。
確かにそうだ、と自分の声に頷き歩き出した。
いやいや、流れが変わっていますね。
自分と自分とのやりとりがいろいろと可笑しくなっていますね。
でも、変なスイッチが入った僕には、もう何も聞こえなくなっている。
須磨ってこんなに長かったっけ・・・??
須磨水族館の前を通りながら心の中でつぶやく。
なめていた。
間を端折って実際の距離をだいぶん縮めていた。
後悔の念が湧き出した。
しかし、ここまできたら歩ききらないと、なんとも気持ちが悪い。
ここでタクシーに乗り込んだら、これから先の人生の中で、きっと諦めたことによる後悔の念に苛まれるのだ(なんでや・・・)
足が痛くなって、途中で止まって足を休めて、また進む。
寂しくなったり、辛くなったり、泣きたくなったり。
これまでの自分の人生を振り返り、行ってきた悪事を懺悔する。
楽しかったことや、嬉しかったことを思い出す。
そして前を向いて歩く(なんでや・・・)
そうやってようやく3/2くらいの距離を歩いてきただろうか。
暗い道が続いていたが、交通量の多い道路にさしかかった。
道も明るい。
ものすごく暖かく優しい光で包まれたすき家を見つけた。
お腹と背中がくっつきそうなくらいに空腹になっていたのと、足がつっぱっていたのでかけこんだ。
年配の男性の店員さんがすごく優しくて、その優しが心に沁みた。
机に運ばれてきた食事がとても美味しそうだ。
いつぶりの食事だろうか・・・と感じるほどに。
ご飯というのは、こんなに美味しいのか・・・と涙ぐみそうになりながら、ご馳走様でした、と深々と手を合わせた。
「幸せ」というのは、本当に些細なところにあるものだ。
なんでもあり、なんでも揃う現代で、僕は盲目になっているのだ。
あまり休みすぎると眠たくなる。
冷たい水を一気に飲み干し、早々に店を後にした。
ラストスパート。
新長田。
歩いたことのある景色が見え出す。
兵庫。
ここも仕事でくることが多くなった。
兵庫から神戸まではたいした距離ではないことは経験済み。
楽なものだ。
そして神戸駅。
ここまできたらゴールまで楽勝。
いつもの距離。
一気に駆け抜けてゴールを目指す。
空が少しずつ明るくなってきた。
ゴールに近いてきた僕を讃えてくれるかのように、空が青くなってくる。
約4時間半の徒歩の旅。
距離にしてたった約20数km。
いろんなコストを考えると、さっさとタクシーに乗って帰れよ、という話(笑
とまあ、しかしですね、この旅で得たものは大きいのです(笑
つい先日、とある約束でとある場所に向かっていた。
余裕を持って出て行きますから、時間はたっぷりあった。
しかし、予想外のことがおこった。
電車が当駅止まり。
次の電車までかなり時間がある。
それに乗ったら間に合わない。。。
さて、どうしようか。
あるやんあるやん、徒歩って手段が。
で、途中でタクシー乗ればええやん。
そうそう、それがある。
そして徒歩で目的に向かう。
ただタクシーがまったく捕まえることができない。。。
時計を見ればやばいことになっている。。。
タクシータクシー。。。!!
やばい、もうタクシーは諦めて走ろう・・・!!
ということで目的地までノンストップで走る。
死にそうになったが、10分前に到着。
危うい危うい危なかった。
久しぶりにヒヤヒヤしたものです。
やりゃあできるもんです。
諦めずに進んでいくと、なんとかなるものですね。
これ以外に11時間半60kmの旅というのもありますがね・・・(笑
まあ、また別の機械にお話しましょう。
しかしまあ、もっとスマートな人生を歩みたいものですね。