街灯に照らされて、足元で何やらもぞもぞと
動く影が見える。
目を凝らしてよーく見てみると、ものすごい気持ち悪い
動きをしている。
少し君が悪くなって、なんやこれー、と呟きながら、
この物体の進行方向とは違う方へ回りこみ、
腰を引け目にじっくり見てみたら、蝉の幼虫だった。
地面はコンクリート。
周りには木がないぜ。
というか、土のある場所は彼らのサイズからいうと、
かなりの距離がある。
ここまでもぞもぞと歩いてきたのかい。
メタモルフォーゼ。
ここでするのか!?と思うものの、触れる勇気がなく。
彼らのとび立ちを邪魔せずにいよう、というよりは、
少し恐くなって(笑)リュックを背負って移動の準備をしていたとき、
地面に目がいったとき、一匹どころか、かなりの数の蝉の幼虫が
成虫になるためにこちらに向かって歩いている。
まるで、ナウシカのたくさんの巨大な王蟲が僕に向かって、
ドタドタと走ってきているような感覚に陥った。
感覚ではサイズ感は真逆になっていて、かなり恐くなって、
足早にその場から離れた。
ミミーッとかいって、木から突然飛びかかってくるし。
だいぶん近くまで寄ってきてから方向転換するのやめてよ。
僕は木ではないから。
気付くの遅すぎ。
こうなってくると平静さを保つのはなかなか難しく。
ちょっとした葉や草の物音で、敏感に体が反応してしまう。
そんな緊張感のある時間をくぐり抜けて、
コンビニに立ち寄り買い物を。
777円。
顔なじみの店員さんと「おーついてますねー」とか言いながら。
蝉からなにから、くっついてくるのは、ついてるからなのかな。