bow's Design(ボウズデザイン)

お 文字

日記「お」のポテンシャルは半端ない

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日々のコミュニケーション。
その中で様々な言葉が飛び交っていて、それを拾って打っていけば文字数はどのくらいになるのでしょうか。

コピーライターさんのお仕事のお手伝いで、
取材やインタビューで録音した内容を文字起こしのお手伝いしたことがありますが、括られた時間の中にも関わらず、
お話する時間であること、と人によって多少多い、少ないあれど、なかなかの文字量でした。

また、あれだけの文字情報をまとめていき、整形したり、創造したりしていくわけですから、大変なお仕事です。
消費者側からは、出来上がったものを手に取り、読んだり、見たりしますから裏側の苦労はなかなか見えにくいものです。

落ち葉の写真

さてさて、お話は変わりますが、近くから聞こえてくるお話。
小さなお子様とそのお子様のお母さん。
「おめめがね…」
「おくちがね…」
「おなかがね…」
「おまわりさんがね…」
「おくすりがね…」
なんて聞こえてくる。

話の内容は分かりませんが、なんだかホッコリして、癒されている自分がいるのです。
目を瞑ってガタンコトンと揺られながら、小さなお子様とそのお子様のお母さんがやり取りする微笑ましい光景を真っ暗の瞼に浮かべてみる。

そしたら、若そうなグループが入ってくる。
「あー、金ないわー…」
いや、お金と言おう。
「ほんま、あいつは…」
本当にあのお方は、やろ。
「腹減ったな。」
お腹すいたね。
「あの女…」
ちがうやろ、あの女の子。

置き換え作業をしていたら、その嵐が去っていった。

「おさかながね…」
「おかゆさんとね、おまめさんとね…」
おに加えて、ものに「さん」をつける合わせ技。
なんとも素敵な。
また、ホッコリとする。
優しくお上品お言葉と心地よい揺れのミックスで、
癒され具合は倍増。

「おててをつないであるこうね。」
という言葉がフェードアウトしながら聞こえなくなった。

美しく優しい音色のようだった。
余韻に浸っていたら、目的地へ着いていた。
電車の扉が開いたらいつもの喧騒の中へ歩いていく。

「お」という文字の持つポテンシャルってハンパないな、と。
「お」をつけるだけで、こうも美しく、上品に、優しい
言葉になる。
もちろん、そういった言葉遣いをされる優しい方だからこそ、その場というのは、優しい空気に包まれるのだろうな。

「おにぎりが食べたいな。」
聞こえてきたその言葉に、脈絡も知らず勝手に、
それは、違うやろー、と、心の中でつぶやきながら。

Aphex Twin / Avril 14th

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