うん、知ってる。
ああ、分かるよ。
でも、それは実体験としてではなく…
構造の中にあるひとつの要素、として。
巨大な機械仕掛けの空間を
止まることなく動き続けるパーツとして、
どんな役割を担っていて、
何が楽しくて、何が苦しく、
何が幸福なのか。
知ってるさ。
長く動き続けた機械もやがては
錆び付き、ガタもくらあ。
おりゃあ壊れて欠損した歯車さ。
構造の外で横たわりながら、
大きく揺さぶられながら
動き続けるを見てると、
いつ崩れてくるか怖くて怖くて
見ちゃあいられないね。
メンテナンスできる者が少なくなって、
手が回らないから、
鉄の軋む音が悲鳴のようにこっちに
響いてくらあ。
それを聞いていると、
悲しくなって、苦しくなってきてね。
あの機械にまるで自分の人生が
映し出されるようでノスタルジーをも抱くってものさ。
ああ、時代の変わり目にまたしても
見ることになるとはな。
幾度も巡った朝、昼、夜。
節目も節度もあったもんじゃあない
激動の時の中を僕たちは生きているのだろうな。
塵や埃や砂が体を覆ってきて視界が悪くなってきた。
一時代の結末を…
如何に見ることができるかな。
いずれにしろ、この地層に眠る歯車のひとつとなろうよ。
ふふふ、面白いことだ。
無邪気な子どもが僕たちを使って
積み木のようにして遊んでらあ。
そうやって、何か新しいものが生まれるんだろうな。
かつて僕たちも小さなときに思い描いた夢を描くようにな。












