日々のだんだんたる雑踏の音と振動に、
諸行無常の響きあり。
目まぐるしく視界を行き来する景色は正者必衰の理。
しかしその本質たるは表層を変えるだけであり、
何も変わらないものを新しきと見る。
新しい世を皆渇望するも、結局のところ、
その本質は置き去りにして、
表層を変えた新しきを手にし希望を抱く。
既に飽きたものに新しい香りづけをし、
そうであるように錯覚するのは表裏の輪。
煌びやかな表層の下に泥にまみれたぬかるみを歩くも、
それは現代の嗜好というもので、その中に人が蠢こうとも、演出の中の演者。
呻きとは押せばなる人形の絡繰りのようなもの。
それを踏みしめ踏みしめ、泥を見ずに張りぼての現実の中で、
演出と脚本の無理筋を問題にして解決しようではないか。
そうさね、幼少期のいずれかの派閥に組し、石の投げ合いをいつまでも続けようではないか。
そして、問題の解決を議論しよう。
我々は食わねばならん。
人のこったあどうだっていいわけさ。
そこに飢え死にする者を見ても、そんなこたあ知ったこっちゃあない。
それより、あの感動の物語を見た方が幾らか感情を打つってなあもんさ。
この現実の様より、この現実の様を描いたもの方が感動的ってなもんだよ。
写実的すぎて見てらんねーってもんさ。
それより、犬や猫が寒がってる、腹を空かせてやがるから、おめーのそれを俺によこしなね。
こいつらはてめーでおまんま食えないから世話してやんねーと。
こいつらってのは愛嬌があって可愛いってもんさ。
なのに、おめーらつったら…
おめーらはできるのにできなかった怠け者。
働かざる者食うべからずってなあ、よく言ったもんだな。
しかしだ、何故に俺たちってなあ、同じ人間なんだろうね。
こうも出来が違うってなあ、どこかで何か間違えたのかもしれねえなあ。
まあ、そんなことはええじゃないか、ええじゃないか。
さあさあ、楽しい見世物のはじまりってもんだ。
この崖っぷち。
逃げ場はないってもんだから愉快なもんだね。
じりじり詰められる気持ちってなあ、どんなもんだろうか。
まあ、辛いんだろうな。
さあ、あと一歩後退すりゃあ、終わりだな。
さあさあ、お祭りのはじまりだ。
つまらない日々に、盛大な祭りごとってなあ、大切な事だからな。
祇園精舎の鐘の音。
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、正者必衰の理をあらわす。

思考的実験「泥濘の表裏の波紋と輪の曼陀羅」
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