bow's Design(ボウズデザイン)

葉っぱ イラスト

日記「割り箸」

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どれくらいか分からないが、僕の意識はどこかへ行っていた。
僅かであるがそれが存在していることはなんとなく分かっていた。
すると、それがもの凄い速度で向かっていく。
一瞬そこから見えたものは、自分の寝姿であって眉間のところにぶち当たったかと思うと、いつもの天井が見えた。
ああ、疲れて眠ってしまってしまっていた。
時計を見るとほぼほぼ24時間近く眠っていたようだ。
沈みっぱなしだった腰が少々痛い。
寝相というのは、体のダメージを軽減してくれているのだ。
寝相をとらないほど眠ってしまうのはあまり良くないように思った。
一日眠っていたのだから、一日飲み食いしておらず、備えていた水を飲んだら、体内の細胞にすとんと染み込み、いきわたっていくのが分かる。
飯を食ったら、古くなった細胞と新しい細胞との入れ替えが高速に行われ、古い細胞が湯気のように体から抜けていき、新しい細胞が馴染んでいくのが分かり、目に活気が蘇る。
なんでもない飯は涙が出そうになるほどに、何よりも美味い。
ハングリーな状態とはこのことか。
腹ごしらえを終え、またいつもの時間が始まる。
机に足をぶつけたら、使った割り箸が食器からぱたっと落ちた。
なんでもないことであるが、なるほど、と思った。
ちっぽけな存在、なんの力もないただ一人の人間。
それでも生きて存在する限り、良くも悪くも、なにかに影響を及ぼすのだ、と。
落ちた割り箸を拾い並べた。

今日の作業用BGM

Steelix – Lay it down

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