bow's Design(ボウズデザイン)

四弦

日記「四弦」

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コーヒーカップ 3d イラスト

かちゃ…
机に運ばれた珈琲のカップと食器とスプーンたちが打ち合って奏でるハーモニー。
とても心地よい音だ。
奏者は運んでくれた店員さん。
素敵な笑顔で、明るそうで温和そうで優しそうだ。
とても良い音を奏でる。

穏やかに波打つ珈琲にクリームを注ぐと、波に合わせてくるくると回ってゆっくりと溶け込んでいく。
少しだけ砂糖を入れて、スプーンでくるくると混ぜた。
ああ、と妙に腑に落ちるとともに納得し、心のつっかえというか…そんなようなものが取れたのだった。
馴染む、というのはこういうことなのだ。
そして、美味しい、落ち着く、とはこういうことなのだ。

これを絵に描こうと思っていたが、なかなか進まず…
まあ、いつものことである。

いろいろとやりたいことがあるが、最近は忙しく暇が取れない。
ただベースを弾くのは少しばかりの散歩と同じく日課となっている。
一時間くらいの時間であるが、欠かしてしまうと過ごし方の流れが若干狂うので、進行の流れを調整して整うまで、気持ち悪い時間を過ごさなければいけない。(そうならければそうならないで別にクリティカルな問題はないが…笑)

この四弦が示してくれるものとは、本日のコンディションのようなもので。
アンプから出てくる音の音質の感じ方。
指と弦との触れ感、距離感。
譜面を見ての体(指)の反応とかリズム感とか。
調子が良い時は音質も良く、プレイングも滑らかであっという間の一時間。
その後の流れもうまくいく。
反対にあまりあることではないが、まれにめちゃくちゃに悪い時がある。
心身ともに疲れている時であるが、当然と言えば当然なのだが、ベースのプレイングもひどいし、その後の流れも大変に悪い。
あらゆるリズムにも合わないし、和音を形作る一つの音にさえならないただの不協和音。

やめりゃあいいのに、むきになって何度も巻き戻してやり直す。
同じところで躓いてまた巻き戻し。
この音さえ滑らかに弾くことができれば気持ちよく終わるのに。
ついには、弾くことができずタイムリミットだ。

そんなことを忘れいつも通りの時間を過ごす。
一息を入れようと入れてきた珈琲を机に置く。
がちゃ…
音にも反応できていない。
クリームを入れて砂糖を入れてスプーンで買い混ぜる。
からんからん…
カップの取っ手に指をつっこんで、持ち上げた時に馴染んだ珈琲が視界に入った。
ああ、なるほど。
妙に腑に落ち、納得するのだった。
明日になったらうまくいく。

今日の作業用BGM

Lamp 「さち子」

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