行かなければいけない外出は、突如としてやってくるものです。
決まった予定の前夜は、不思議と忙しかったりと、バタバタして碌に睡眠が取れないものです。
半分も開かない眼に注がれる晴天の強い日差しは大変に眩しく、視界を奪ってしまいそうであります。
決まった予定をこなすための外出は、一種の倦怠感を覚えますが、生気に満ち満ち、思いの外、軽やかな足取りで目的へ向かっているということは、どうやら体というのは、自然の恵みを享受できることを喜んでいるようです。
私の喜んだ体のように、生い茂る草がらんらんと皆踊っています。
木の外樹皮にはりめぐる筋から眩しい光、生命のエネルギーのようなものが行き交うものが見えるような気がします。
枝にくっついているたくさんの葉は、波のようにさわさわと揺れています。
私のおでこに大きな水滴がごつっと落ちてきました。
その様子を見て、悪戯心を持った一枚の葉っぱがくすくすと笑っているようです。
雨上がりの快晴は、自然にとっても嬉しいことのようです。
補正された砂地と石垣にひっそりと咲く一輪の花が見えました。
美しさに内包される様々な要素を瞬時に形容することができませんでした。
たくさんの自然が喜んでいるのと同じように、ゆらゆらとさわさわとらんらんと嬉しそうにも見えるが、寂しさも悲しさも感じるのです。
可憐に美しく咲く花は、選ぶことができなかったこの土壌で見事な美しい花を咲かす逞しさと力強さを感じました。
花びらをつたい地に落ちていく雨の雫は悲しみの涙にも思えましたが、雫の反動で揺れる様は今日の悲しみを拭ったもの、あるいは、なにか喜びの涙にも思えました。
私が惹かれる美しさ、というのはきっとこういうことなのでしょう。
それは生命の力、ともいうのでしょうか。
今日の作業用BGM
くるり / ブレーメン