bow's Design(ボウズデザイン)

目のイラスト

イラスト物語「見ようとしなかったもの。」

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ミニチュア 写真

公共機関を利用するのは、最近は本当に避けたい。
人が集中しない時間ならまだマシなのだが、通勤ラッシュの時間帯や休日の集中している時間帯での利用は精神衛生上よろしくない。
せかせかする時間帯で人が集中する時間帯なのは仕方がないこととして、そういった身の振る舞いをせず平気な人々が多いように見受けられる。
清掃員の方が掃除したばかりであるのにも関わらず、ゴミを平気でポイ捨てする、唾を吐く、無駄に汚す。
電子音を垂れ流し、いまでなくて良いような着信に出、長々とくっちゃべる。
このような輩達と同じ空気を吸いたくないとさえ思っている。
昔から薄々と気づいていたことだが、こういったところでの生活は僕には向かないのだと思う。
いろいろな意味で、貧しい国になっていっているのだと思う。
しかし、誰も見ていないであろう美しい光景を目にすることもある。
人間というのは…

目のイラスト

あなたが見ていたもの。
君が見ていたもの。

僕が見えていなかったもの。
私が見えていなかったもの。

見えていたのに見て見ぬふりをしていたこと。

目のイラスト

視界に映り込んだ表情。
ぼやけて映って見えたが、どんな表情をしているのか、はっきりと理解できた。

雫のイラスト

景色は移って変わっていく。
それでもさっきの瞬間の出来事は頭から離れることはなく、何度も繰り返し再生される。
しかし結末は何度再生されても変わらない。
その時動けなかった自分を思い心が乱される。

雫のイラスト

本来の自分とは違った行動に心が乱される。
心のままに人を動かすというのはなんとも難しいことだ。
心臓の辺りは体が飛び出さん勢いで動こうとしているのに体はぴくりとも動かず硬直する。
難しく考えなければいけないものほどシンプルに立ち回り、簡単なものほど難しく考えては、葛藤の連続を繰り返し無かったことにしようとしている。
その結果多くのことが過ぎ去っていき、変わらないままでいる。

思考の摩擦が最高に達し、炎が上がったところで我に返った。
体は汗ばみ、異常な熱を帯びている。
視界に映った自分の手のひらには汗が滲んでいた。
また頭の中では、さっきの瞬間の出来事のループを繰り返しており、始点に戻った。
心臓に引っ張られるように、僕の体を委ねることにした。

結末が大きく変わることはないだろう。
しかし、なにかが進展する一歩に違いない。

人間というのは、同じ繰り返しをする生き物だ。

手の写真

その他の目のイラスト

「涙は枯れていなかった」イラストレーション

「涙はすでに枯れた」イラストレーション

今日の作業用BGM

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三木清 / 人生論ノート

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