今週1週間は給食当番。
給食の時間になったら、廊下に整列してから
給食室に向かい、それぞれ与えられたものを持って、
教室に帰ってくる。
銀食器のぶつかり合う音があちらこちらから聞こえて来る。
今日の献立は、朝に見えておいた。
上質紙に印刷された献立の表が懐かしい。
挿絵として描かれているイラストが楽しそうなのを
今でも思い出す。
ちっちゃいおかずは、あまり好きなものが無かった記憶がある。
きゅうりとくらげの酢の物、とか無かった。
なんとかの胡麻和え、とか。
「すのもの」とか「ごまあえ」とかそのとき意味がわからなかったから、
不思議な言葉だな、と思っていたのも思い出す。
おっきいおかずのカレーは絶妙。
楽しみだった。
大きな飯盒炊爨みたいなのに入れられたご飯。
蓋を開けるとぶわっと湯気が吹き出る。
美味しい香り。
カレーの時は何倍でもいけた。
「べいはん、べいはん」といい、ご飯を入れるお弁当箱を
ランドセルにかけて登校していたよな。
どのくらいの割合だったか覚えていないけど、
ご飯の日とパンの日があった。
パンの日に出てくる「コッペパン」は大好きだった。
味はほとんどないけど、たくさん噛んでいると甘みが出てくる。
中はモチっとしていた。
汚い食べ方をよくした。
中だけを先に食べて空洞にして、後からそれをパクッと食べたり、
ぺったんこにしてから食べたり。
パンの日でも、たまに黒糖バージョンがあった。
これはいつもより甘くて美味しい。
何個でもいける「美味」さだ。
それを久しぶりに食べたくて、スーパーやコンビニのパンエリアを見ていると、
余計なトッピングを加えてくる。
中にバターやら、クリームやらを入れてくる。
おりゃ、これは好きじゃない。
余計なトッピングを加えていない、黒糖コッペパンをくれまいか。
それが食べたくて、食べたくて仕方ないの。
給食の時間決まって流れる放送。
絵本の読み聞かせみたいな放送が流れているのだけど、
はじまりは絵本に出てきそうなおじさんがタイトルコールをする。
はじめはみんな笑いながらそれを弄っている。
「なんやねんそれ」とか言いながら。
次第にそれは普通になって、おじさんはいつも通りタイトルコールしている。
慣れたみんなは、違う話をしていて、もう聞いていない。
社会に慣れていったのだ。
給食当番の格好は嫌だった。
特に帽子。
みんなもそうだったようだ。
少しでも格好悪く見えないように、試行錯誤している様がうかがえた。
ファッションだ。
今わかるのは、割烹着にあった被り方が一番スマートに思える。
ファッションを意識した被り方は、やっぱり滑稽だった。
給食好きだったな。
おっきいおかず、ちいさいおかず。
おっきおかずの器とちいさいおかずの器とおぼんがぶつかり合う、
かすれ合う音。
グループになって食べる給食。
懐かしい。
もう二度と子どものときのままに、あの給食の時間を過ごせないと思うと、
ものすごく寂しくなる。
ああ、年をとった。
あんぱんは、いかが??