少し日が落ちるのが早くなったかな。
公園に座って、少し休憩。
ぼーっとしていたら、いつもより早く暗くなっている気がする。
しかし、時間が過ぎ去るのが早い。
こないだ、年を重ねたところだったのに、もう3ヶ月ほどで、今年は終わる。
早いものだ。
雲の陰影、建物がシルエットになっていく。
季節が変わろうとすると共に、蝉の鳴き声も少なくなっていく。
体力の続く限り。
必死に叫んでいる。
We…!
We…!
We…!
ツクツクボウシかな。
人によって、空耳具合は違うのだろうけど、「We」に聞こえてきた。
We are …!
We are …!
We’re …!
うんうん、どうしたんだ。
何を私たちに伝えたいんだ、と僕は両の耳を彼らの声に傾ける。
彼らの生態に、少しだけ知識があるから、きっと次が「オチ」「結」だろう。
We’re …!
We’re …!
We’re …!
We’re dying…!
彼らが必死に伝えたいことが、伝わってきたような気がする。
生命を全うする一貫した姿勢は素晴らしいことではないか。
選挙活動の街宣演説。
あの候補者の演説。
この候補者の演説。
その候補者の演説。
カメムシ目(半翅目)・頸吻亜目・セミ上科党 ツクツクボウシ候補の
魂のこもった最後の演説。
私の胸にしっかりと焼きついた。