涼しく心地よく吹く風は、
気付けば冷たい風となり体に吹き付ける。
辺りの野生感が静まり返り、
レクイエムを奏でるように、
草木がそよぐ。
透き通るような空間は、
星をより輝かせるが、
近くの灯りは近くにあるようで、
遠くに見せるのに、
いつもより綺麗に見せてくる。
まるで蜃気楼のように遠くで輝いてみせる。
体を震わせ鼻汁が垂れる。
温かいものに触れると、その温かさに鼻汁が垂れる。
風はそんなことも知らずに行きたいところへ行くものさ。
ぽっかり空いた心の穴をも通り道のように吹き抜けてく。
ひと時の温もりもあっという間に寒くなって体を冷やすもの。
ぽっかり穴を塞ごうと、
あれこれ考えている間もなく、
埋めようとしたとて、しっくりこなくて埋まらずに、
雪解けを待つ季節かな。
漫画 鶴瓶落とし
寒くなる季節の変わり目に。
姿見えなき声とは何を知らせているのだろうか。
単なる季節なのであろうか。
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