目覚まし時計のアラームが乱暴に僕の目を覚ます。
だるい体を起こし、目を擦りながらダイニングへ向かう。
大きなあくびをしながら椅子に座り、また大きなあくびをまたひとつ。
全くやる気のないだらしない姿で目を擦る指の間から父親が新聞を読んでいるが、顔を歪ませながらいそいそと朝食を取り、会社へ出かけた。
今日は身体測定で身長を計った。
どうやら少しだけ伸びたようだったが、学年の平均より小さく、悔しい気持ちになった。
今日はスポーツテスト。
それぞれの項目の昨年の平均点が掲載されている。
どう頑張っても越えられない数字に昨年の猛者の運動能力に驚かされた。
今日は友人と遊ぶ約束。
家にお邪魔してみるととってもおっきな家で、おやつまでいただいた。
自分の家とは全く違った環境で生活する人がいるのを知って驚いた。
今日もまた別の友人と遊ぶ約束をして、その友達の家に行くと、ちっさなお家で何もなかった。
自分の家とは全く違った環境で生活する人がいるということが分かった。
僕たちが何も知らずに生きる日常。
日常で触れる出来事の中に、分からないけれど浮かび上がる思い。
休日の団欒で、ニュース番組に両親は文句を言った。
僕は静かにそれを見ていた。
何も知らずに生きている日常で抱く小さな違和感。
僕に直接見せない両親の時折見せる曇った表情とは、僕の時折抱く違和感の輪郭を朧気だが意味が分かった気がする。
それは僕が顔を曇らせるようなものと似ている。
自分の将来の道に曇りがかって悩む姿と似ているのだ。
テレビが見せてくれる数字はとても華やか。
まるで夜空で輝く星のよう。
あの煌びやかな数字の実態と実際とは、多くの人が美しき夜空の星を眺めるようなほどの距離がある。
そして、美しき流れ星を夜空は人々に魅せるのだ。

思考的実験「夜空と煌めく星の数の下で」
bow’s internet shopping street
bow’s Townにある商店街、bow’s Internet Shopping Street。
パン屋さんや、和菓子屋さん、服屋さん、雑貨屋さんなど、たくさんのお店が並ぶ商店街。
屋台も訪れ、活気があって賑わいのある楽しい商店街。