ブラックコーヒーにお砂糖とミルクを注いで、スプーンでかき混ぜた。
金属製のスプーンがカップに当たってカンとなる。
その音はわりと心地よいから好きのだけれど、はじめのそれだけを嗜好することにして、カップとすれないすれすれをイメージして数回混ぜる。
穏やかな回転を。
心地よい回転を。
真っ黒なコーヒーは淡くなってミルクコーヒーになった。
速度をおとし、波をたてているコーヒーを見ながら、ああ、こーいうことなのかあ、とか思いながら、窓の外を見ると、びゅっと強い風が吹いて、枯葉が舞った。
冬の訪れを感じた。