bow's Design(ボウズデザイン)

手 グラフィック

日記「忘却の果て」

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消えていく。
知らず知らずのうちに消えていく。
あんなにも夢中だったはずであるのに…
あんなにも執着していたものなのに…
時間をこくこくと刻んいく中で、すっかり失念してしまい、果てに忘却してしまったものは幾つあるのだろうか。
そんなことがあったなんてつゆ知らず。
忘却してしまったものは記憶に留まることはなく、私の中にはもう既に存在していない。
何かの拍子に違和感を覚え、留まった記憶を遡ってみるけれど、無くなってしまったものだから思い出せるわけもなく、気の所為にする。

灯火 イラスト

動的平衡。
これを書いている瞬間、キーボードを打ち込む瞬間、常に何か変化をしている。
こうも過去の過ごした日々を下の世代に話したり、その日々を懐かしむことが多くなるとは思ってもみなかったが、これが中年の仕草というものか。
人間たるものとしているのは、情報が人間たるものとしているのであれば、目には見えないが、私の体から何だかわからない小さな粒が体から飛び立ち消えていく。
その中には、決して消えてはいけないものが混ざっている。
私が無意識に必要のないと判断した「何か」は体から消えゆこうとしている。
忘却しようとするものを、意識的に留めることはできない。
知らないままに消えていく。
それを踏み留めるのは人々だ。
忘却しようとするものを思い出し踏み留める。
心から感動を。
気持ちを熱くさせ、強い力でそれを呼び覚ませてくれる。
消えかかった灯火が、また少し強く燃えはじめる。

男性 イラスト

懐かしむのは還りいくことなのだろうか。
肉体は滅び行こうとしているのに、なにか元に戻っていこうとする。
肉体が無くなった後、僕が人間として存在するのは100年もないだろうな。
忘却の果てへ。

今日の作業用BGM

Chouchou – another dawn

 

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