bow's Design(ボウズデザイン)

空の写真

日記「無の笑み」

広告

どうやら僕はドストエフスキーに嫌われているようだ。
「死の家の記録」の序章を読み終え、これから楽しくなってきそうだ、というときにどこかで落としてしまった。
読書の時間は基本的に電車などの移動時間に限定しているため、さっと取り出して読めるように文庫本をポケットに忍ばせている。
きっと何かの拍子でポケットから落ちてしまったのを気付かなかったのだろう。
楽しみにしていたのに、、、と、仕方がないので、一緒に買っておいた「地下室の手記」をまたポケットに忍び込ませた。
読み進めていくと面白くて。
そんなところ、またポケットからすっぽ抜けたようで、どこを探しても見つからない。
Oh,Shit!またかよ。これからだったのに。。。
仕方がないから、ロバート・A.ハインラインの「輪廻の蛇」の扉を開いたのだった。

地下室の手記 (新潮文庫)

新品価格
¥529から
(2019/3/30 03:45時点)

「地下室の手記」のことを忘れていた頃、それは何でもないところから姿を現す。
おおー!あるやんけー!探しとったでー!探し続けとったDay!と言ったとか言わなかったとか…
いやいや待てよ。
もしや、もう一人の僕が未来からやってきて持って行ってしまったのを、もう少し先の未来からやってきた僕が読み終えて戻しに来たのでは??
物語に擬えながら、そんなことがあるはずもねえ、ただどこかに落としていただけだろう←そう、それだけのことだ。
戻ってきてなによりだ。

輪廻の蛇 (ハヤカワ文庫SF)

新品価格
¥972から
(2019/3/30 03:46時点)

木と葉っぱの写真

街中や人がひしめき合っている環境というのはどうも苦手で街中や人混みの中を歩いているとストレスが溜まる。
街中での光景や、会話や音に出てくる度に辟易とする。
本当にうんざりする。
これがコントであれば、ツッコミ役は本当に大変なほど、ツッコミどころが満載なのだ。
そして笑いにならないという。。。
街中は様々な人が描いた思いの詰まったユートピア。
行き交う人々の表情は様々であるが、笑顔で広がっている。
しかし、僕にはこの世界は合わないようだ。
街中を外れ、人の気配が薄れ、空が広く、木々や海が見えるところにくると落ち着く。
物質的に幸福感を与えてくれるものはない。
物質的なものの時はあるところで止まる。
人の心??と表現するものなのか、人の中、というのか、そういった空間の時の流れは思っているより遥かに速い。
光に匹敵するのかもしれないし、同等なのかもしれない。
旅をして見つけるのでもなく、探して見つかるものでもなく、どこかにあるのでもなく、存在するとするならば、ずっと近くにあるのかもしれない。
それでも姿を現さないものなのであるし、似ているところはあれど唯一無二のものなのだ。

話は飛ぶが、兵庫県の北の方の山奥。
ハイエースの後部座席に寝転がり、トレーニングに向かっていた。
外灯がなく、前面を照らす車のライトを頼りに、うねうねとした山道の中を腕の良い運転手が巧みにくぐり抜けていく。
薄暗い青白く不気味に照らされた木々が幾つも通り過ぎていく。
そして僕は車酔いをしていた。
このうねり道が想像以上に長く、まだか、まだか、と思っていたとき、突如急ブレーキで車が止まった。
気持ち悪くなった体を起こし、何事かとフロントガラスを覗き込んだ。
すると、前方から鹿がスタスタと歩いてくる。
こちらに気付いていないのかというくら、堂々とスタスタと歩いてくるので、少しずつ前進し距離を縮めるも彼は前進してくる。
かなり距離が縮まったときに、「はっ」と何かに気付いたように鹿はフロントガラスを覗き込み、少し間を置いてからどこかへ駆けていった。
フロントガラスを覗き込んだ時の表情が印象的だった。
笑っているようで、笑っていない。
感情があるようで、感情がないような。
無の笑み。
あの無の笑みに、意味などあるはずはないが、なにかあるような気がしてならない。
そんな出来事だった。

今日の作業用BGM

Your Name Please / Earthbound Music

MOTHER 2 (SOUNDTRACK) [LP] (COLORED VINYL) [Analog]

新品価格
¥14,800から
(2019/3/30 04:41時点)

広告
 
ページのトップへ