長い一日の授業が終わり、
一息をつく間もなく部活の準備。
今日の練習もきっとハードであることを知っているから腰が重い。
行かなければ行かないでどやされるからいずれにしてもハードであるから、行くしか選択肢はない。
まったくご免なんだがね。
行きゃあ良いわけだから、壊れたロボットのようにだらだらしながら体育館へ向かう。
教室は静かになっていき、ボールをつく音や、走る音や、声を出してる生徒、励む声が聞こえてくる。
こんな暑いのによくやるやね、まあ、ぼくも今向かっているわけだがね。
吹奏楽部の楽器の音出し練習。
どれがどの楽器か分からないが、まばらに鳴っていた楽器の音が、やがてひとつになり旋律を奏でる。
今日もしごかれ、くたくたになった体は壊れたロボットのようだね。
これじゃあまるで、行きも帰りも同じだね。
汗でびしょ濡れになったままフロアに倒れこむ。
ああ…モップ掛けしないといけなくなって余計な仕事が増える。
帰る頃にはいつの間にか辺りは暗くなってる。
外に出たら秋の虫の音がちらほら聞こえてる。
こうなったら時期に、あっという間に秋の旋律を奏でだすだろう。
さあ、僕の特別出演だ。
疲労困憊の帰宅の足踏みの音を。

秋の気配を感じる話を。
当時の記憶にアクセスしたら見えてくる映像と音を拾い集めながら編んでみた。
秋だ、新しい季節だ、なんてあの時はきっと思ってないよね。
思いを馳せるなんてなかったような気がする。
逃げられないタスクをこなすことに精一杯だった。
終わればくたくただしね。
美しい音色に、頭がぼーっとして、重たくなって上手く動かない体をなんとか持ち上げて帰路につく。
できたのは、秋の旋律に足踏みを入れられたくらいだろう。
とはいえ、それも秋の旋律を奏でる音となったろう。
朗読動画 放課後の旋律、旋律に足踏みを












