家までの帰り道をお父さんと一緒に歩く
小さな女の子の物語。
いつもと変わらない日常。
いつも歩く道、雑踏、そこには色があるようでない。
人々によって作られた様々なものはたくさんの色で
街を彩っている。
それでさえも、モノクロームな世界に感じる。
人々の生活を豊かにしたコンクリート。
そんな中、しっかりと根をはりたくましく、
美しく咲く花。
気づかれることなく、二本の足はいくつも交差し続ける。
この片隅で咲く花を美しい、綺麗だと感じたのは、忘れてしまったのは、
なぜだろうか。
いつだろうか。
道や野原に咲く野花を詰み、心が癒されたのは、
いつが最後だろうか。
無垢なままに、誰かを思い、誰かに施しを。
雑踏の中、いそいそと人々が交差していく。
思いや、優しさも、つながることなく、交差してしまうのか。
人にとっての喜び。感動とは。
言葉なく広がる物語。
この小さな少女の優しさに、
僕は泣かされてしまう。
おはなをあげる
ジョナルノ ローソン 作、 シドニー スミス 絵