可愛いピーマンが主人公に嫌われちゃったのを見た。
どうやら、苦くて、不味いそうだ。
それは間違いである、美味しいものだ、試してみると良い、と言っても、頑なに拒否をする。
友人とひょんなことから嫌いな食べ物の話をした。
次々に皆はピーマンを挙げた。
中には好きだ、という子もいたが、好きである、ということが可笑しいことである、となり、少々揉めた。
そんなことから、ピーマンとの距離は一層に広がり、視界に入ることも嫌になる。
大好きなナポリタンスパゲッティにひっそりと隠れるピーマンのコマ切れは食べるより、丁寧にどかされ、香りがついたところは皿に残された。
そんな話題も忘れた頃の夏休み、みんなでバーベキューをすることになった。
肉をたらふく食べるも、さすがに同じばかりでは飽きがきた。
大人が美味そうにピーマンを食べてみるのを見て、こっそりとピーマンを口にした。
確かに苦味は感じたが、不味いのではなく、美味かった。
食べもせずに食べなかった時間を勿体なく感じた。
情報とは色も形も味も無いのだが、人を操ることはできた。

つぶやき「ピーマンが嫌いになったのは」