やあ、君、地獄へようこそ!
喜んで歓迎するよ!
そして、ここまでよくきた!
称賛しよう!
しかし、こんなとこへ来てどうするのだ?
ここには何もないのだぞ!
何もないというのに、こんなところまではるばる来たなんて、なんと愉快なことか。
さあ、さあ、行きたまえ、はははは、言われなくとも行くのは知っているがな、あまりにも愉快なのでな、失敬、失敬。
地獄というのはだな、積み上げたものを鬼が崩すそうではないか、それも一度じゃ二度じゃないぞ、何度もだ。
だとするならば、ここはまさに地獄だな。
異世界にあるものではなく、ここにあったのだな、まさにここに。
貴公はたいそうな業を背負ってここへ生まれてきたのだろうな。
全く憐れなものだな、少なからず同情するよ。
だが、君は行くのだろう?ああ、知ってるさ!
知っているとも、ここには報いなどないのさ、それでも行くのだろう。
全く君は強欲というのか、馬鹿というのか、行く道はいくつもあるというのに、またへんてこなところへ行こうと言うのかね!
愉快だね。
さあ、行きたまえ!安心したまえ!止はしないさ!
君が満足するまで、納得するまで、動けなくなるまで、思うがままに走るがよいさ!
ただ、君を止めることが出来るのは、君しかいないということだけ忠告しておこう。
さらばだ!
どうしてか、そういうものに慰められるってもんだ。