マメシバグラフィックの田中氏と打ち合わせ後に、いろいろと話しているときに、どんな流れだったか記憶に無いのだけれど、福澤諭吉の「学問のすすめ」を読んで、この時代にここまで広く世の中を見渡し、ものごとを考えていたのか、と感動したという話から、中江兆民の「三酔人経綸問答」という書籍を紹介してもらった。
中江兆民とは1847 – 1901年の間、政治思想家、翻訳家、哲学者、ジャーナリスト、自由民権運動家として活動されたようだ。
さわりを聞かせてもらったときに、読みてー!と早速購入して読んだわけです。
学問のすすめは、現状の世の流れや在り方などを俯瞰的な視点から見、全体的方向性、そのための細かな施策、また思想などが最後まで展開されているような流れだった。
紹介してもらった三酔人経綸問答は物語となっていて、人物が登場する。
また設定されているキャラクターが濃く、彼らが展開していく物語が面白い。
大酒飲みの南海先生。
政治討論が好き。
そこに噂を聞いた客がやってくる。
洋装姿の、これは文字から連想した僕のイメージですが、しゅっとしていて、男前というよりハンサム。少女漫画に出てくるようなメンズ。
思想家で、道理を信じ、彼が思う真実、曲がったことが大嫌いな哲学者。
「洋楽紳士君」名付けられる。
もうひとりは、背が高く、腕は太く、色あさくろく、鋭い目。
絣の羽織に短い袴をつけた豪傑な武を重んじる男。
三国無双でいうなら「張飛」のようなイメージ。
彼らのそれぞれの視点から、政治を現状の世の流れをどのような方向性に導き、どういった施策を行っていけば、
より良い世の中になっていくか、という討論がはじまっていく。
たまにそれを見物している客のぼそぼそ言う声も入りながら。
これがどう終わって行くのかが楽しみで読み進めることができました。
読み終えてみた感想だけど、こたえってのは無いのだろうけども、感覚的に、こうであれば、いいんだろうな、ということは分かる。
とてもシンプルな。
でも、それが難しいから、現在なのだろう。
分かってはいるのだけど、難しい。