休み時間に校庭で遊んでいたら、ふと目に入ってきた小さな白い小屋。
遊びに夢中だったから、一瞬で視界から消え、頭の中から消えるけれど、あんなに遠いところにあるのに自分の中で次第に存在感が増していく。
誘われている。
呼ばれているのか。
決して目立つようなところにあるわけではない。
鍵がかけられた古びた白い小屋。
鳥や動物がいる気配はない。
何かがよくないものを封印しているような気がしてちょっと恐怖を感じる。
先生に見つからないように、一応扉を開けてみるがやはり開かない。
通気口の隙間から中を覗いてみるも、外からの明かり薄っすらと入っているだけだ。
ぐるーっと見てみるが何も見当たらない。
ただ温度計のようなものが見えただけで、何も見当たらないのが不気味だった。
僕らの中では、ちょっとした不思議な箱で怖い妄想をいろいろとしたものだ。
忘れかけたころ、理科の授業で初めて開くのを見るわけだが、暗闇に映ったものが明るくなっただけであっけないものだった。
ところで、今も、いまいち、用途が良く分かっていない。