前回作った「CUBE PHONE」のお話の中から少し思いついたお話。
イラスト「CUBE PHONE」
過去に描いたイラスト「世界崩壊の日」を組み合わせて物語を作ってみた。
はじめはざっくりとした形で、且つ数枚程度で終えようと思っていたのだけれど、ああでもない、こうでもないとなり、結局のところ描く枚数が増えてしまった。
内容に具体性が出たのかというと、そうでもないが、思いついた当初よりは内容に具体性が出て、多少面白くなったと思う。
絵にできなかったところや表現できなかったところは注釈を入れつつ、またざーっと仕上げたので絵に荒いところが多々ありますが、即興物語を楽しんでいただければ幸いです。
世界が崩壊した日
平和であるというのは、世界の情勢があらゆる方面にゆるりゆるりと振れながらも、良い均衡が取れていることである。
(俯瞰で街。ゆっくり動いている感じ。)
時に大きく、激しく揺れ動き、その均衡が崩れそうになることがあるが、人々というのは、その問題となる原因と向き合い、解決に向かおうとする。
(少しズーム。ゆっくり横に動かし、数カット。)
人々の集合体というのは、鵺のようなもので、一体の生物として呼吸をすることは容易ではない。
干渉し合うこと、愛し合うこと、人として当然の営み、生きることは、悲しみや憎しみ、苦しみや不安や嫉妬、怒りの負を生み出す。
(街中の喧騒。数カット。)
激しく揺れ動く天秤の中では、それらの感情は静まることなく、消化されることなく、増幅し結びつき大きくなっていく。
(上の流れから街中を歩いていた青年にピントを合わせる。何やら察知し、ビルとビルの隙間に見える空を見上げる。妙な胸騒ぎを覚える。←映像とかならこんなシーンは入れたい。)
それらの思念はやがて質量を持ち、物質となり、生命体へと変容を遂げようとした。
(某RPGゲームに登場するエビルスピリッツのようになった…)
その生命体はひとつの街を呑み込んでしまうほどの大きさに膨れ上がった。
そして目を覚ました。
蔓延する負の思念を吸い込み、
(目ない負のエネルギーをダイソン(吸い込んでいる)している状態。)
充填したエネルギーを街に放った。
大きな爆発と共に街が破壊され、炎に包まれる。
人々は恐怖に慄き、逃げ惑う。
(わー、きゃー。静止する巨大な怪物。)
(体がギチギチと震えだす怪物。)
(怪物に四肢が生え歩き回り街を破壊していく。人の思念の塊なので、常に体の中で何かがうごめいているようにしたい。)
(破壊するためだけに生まれてきたように。次々と破壊をしていく。)
全てを破壊尽くすまで怪物は消えることはなかった。
世界が崩壊した日から。
どのくらい年月が経ったかは誰も知らない。
一人の青年は荒廃した世界を彷徨っていた。
あの時の恐怖と悲しみは鮮明に覚えている。
家族は生きているのかも分からない。
一人でなんとかここまで生き抜いてくることはできた。
希望を抱くこともできず、絶望の淵を。
孤独の中をただただ生きていた。
瓦礫の中を歩いていたところ、青年の目にふと目に入ったものがあった。
それは彼には何なのだか分からなかった。
しかし、妙に気になった。
妙に気になった彼は、それを手に取った。
ただの機械のように見えるが、それだけではない、手に取った瞬間に何か暖かいものを感じたのだった。
(↓このお話のスタッフロールの時に流れている曲のように。荒廃した世界を俯瞰で映す。ドローンか。青年が瓦礫を歩いている。その手には電話が握られている。曲のエンドに生き残りと出会う。Fin)
今日の作業用BGM
Audioslave / Be Yourself