蛇口につるされたみかんネットの奥の底。
気付かれないように隠れていた石鹸がやんちゃなあの子に見つかってしまった。
乱暴に引っ張り出され、こうなったら万事休す。
彼がなすままに、あっという間に泡となって消えてしまったとさ。
こちらの石鹸も、あちらの石鹸も、すでに欠片のようにちっさくなった石鹸は、泡となって消えていくのさ。
気付いたときには石鹸は欠片のようにちっさくなってみんなに残念がられる存在。
失ったことで気付くのさね。
そこへ、新しい石鹸を持った先生がやってきたよ。
ごろっと逞しい石鹸がみかんネットに飛び込んでく。
やんちゃなあの子のにんまり顔と石鹸たちがまた険しく対峙してらあ。