bow’s Townの街の中、見かけたよ、とある映画にでてきたような人。
あれは夜の繁華街にいた時でね、みんなでご飯を食べて、もう夜も遅くなったからみんなと別れて帰路に就いていた時のこと。
繁華街から抜けて、ちょっと薄暗い路地に入った時のことだった。
前方からふらふらと歩く影を見たんだ。
ちょっと酔いもあったので、気のせいだと思って歩いたんだね。
でも、やっぱりふらふらとこちらに向かってくる影が見えるんだ。
目を凝らして見てみると、少し前に見たホラー映画のキャラクターみたいな人がふらふらしながら、こちらに向かってくる。
突然の出来事に体が固まってしまって動けなくなったんだ。
フードを被ったその人はふらふらしながら、僕の方へ近づいてくる。
逃げなきゃっ、て思うんだけれど、そんな時体は動かない。
その人は僕の両方をぐっとつかんで、ぐっと僕の顔を見てこう言ったんだ。
「すいません…久しぶりの友人と会って、めっちゃ楽しくて飲み過ぎてしまいました…危うくこけそうになるところ、あなたの肩があったので、助かりました…ありがとうございます…」
予想とは反する展開に動揺しつつも、安心して
「大丈夫ですか??帰れますか??」と言うと
「大丈夫です…ご心配いただきありがとうございます…」
と姿勢を正し深々と一礼し、ふらふらしながら、帰ってったよ。
緊張感が一気にほぐれ、なんだかかわいく思ってしまって吹き出しそうになっちゃった。
あの人、無事に帰れるといいな。