「へっくしゅん!」
少しずつ寒くなってきたせいか、くしゃみの音がちらほらと聞こえだす。
あちらの方では、今にもくしゃみが出そうな表情を浮かべている。
いでよ、はくしょん大魔王。
そして、わたしの願い事を叶えるのだ。
と、構えてるのに、一向にくしゃみの音が聞こえない。
どうやら不発だったようだ。
なんとも気持ちの悪い表情を浮かべた人を横切ったが、なんだか僕も気持ちが悪くなって鼻がムズムズしてしまった。
くしゃみが不発だった人を背に鼻をすすりながら歩いていたら
「へっくしゅん!」
「今かえー。。。」
後ろからくしゃみが聞こえてきた。
まあ、おめでとう。
次の時間まで少しだけ時間があったので、喫茶店に入った。
昼間というのに、少し肌寒いからホットコーヒーを注文した。
「◯△□×◯△□×!」
店内から聞こえてきたくしゃみの音であろう。
ただ、擬音に形容しにくい。
◯や△の記号にあてはまる音を探す作業をしていたら
「◯△□×◯△□×!」
と入ってきて、もういいや、となった。
くしゃみって、個性があるよね。
セオリーといえば「はくしょん」「へっくしょん」とかに近い音に形容されることが多いと思うのだけれど、そのどれにも当てはまらず、擬音に形容しにくい音がまれにある。
その音を持っている人に少々嫉妬してしまいそうになる。
羨ましい。
ただ、たまにイラっとする音もあるのだけれど。。。
「はくしょん!」
おっと、くしゃみのことばかりを考えていたら、くしゃみが出てしまった。
さっと出てくれたことに快感を得ていたわけですが、
さて、わたしのくしゃみはどんな音なのかな。