「トントントン」とドアをノックする音。
誰だろう??とドアを開けると、予定よりちょっと早めのお出かけの合図。
そうそう、箱の中は飽きてて、ちょうどそろそろ外に出たいと思っていたところだった。
北から南までの長い距離を軽快なステップで直進する。
待ち合わせの場所でマメと合流。
久々の再開でちょっとした話をしながら、広い空の下で、雲を吸ったりはいたりして楽しむ。
雲が薄くなって、消えてしまいそうだったから、それはまずいということで、消えないようにしてから目前にある、自分たちより何倍もの大きさがある建物に入っていった。
この建物の中というのは、色とりどりの四角や丸や三角や多角形の形をしたいろいろなものが置いてある。
これを見に訪れる人たちでいっぱいだ。
うねうねと曲がりくねった長い一本道をずーっと突き進んでいく。
気になった一角があったので、その一角にある造形物を見ながらうろうろする。
赤ちゃんや小さな子どもサイズの色とりどりの造形物が並べられていて、その可愛らしさに魅了されて手に取り、触れて癒される。
その一角には小さな小人や妖精が、大きな葉っぱや草を使って、元気よく楽しそうに遊んでいる。
小さな小屋を覗いてみると、小人たちがひそひそと話している。
僕の体の半分くらいの塀に囲まれたところを覗くと、やんちゃな小人たちがどんちゃん騒ぎをしている。
四角いものが飛んできて、僕の頭に当たる。
「いてっ!」と叫ぶと、小人たちは悪い顔をしてニヒニヒしながら、小屋に逃げ隠れていった。
今度見つけたら、ただじゃおかないぞ!なんて、冗談を言いながら、階段をくだっていった。
ここでは綺麗な葉っぱを渡せば、ものと交換をしてくれるらしい。
マメとボウは一枚の綺麗な葉っぱを見つけた。
この一枚の葉っぱで小さなアイスクリームと交換ができるらしい。
青色の帽子と青色のエプロンをしたトラに一枚の葉っぱを渡した。
素敵な葉っぱだね、とアイスクリームと交換してくれた。
近くの切り株に腰をおろし、もくもくとアイスクリームをほおばった。
なんだか懐かしい記憶が蘇った。
外に出た頃には夕焼け空が広がっていて、空が暗くなろうとしていた。
ぐーっとお腹が鳴った。
お腹が減ってきた。
そうだバケのところへ行こう。
バケはレストランをやっている。
バケの料理はとても美味しい。
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バケのレストランを目指して、南の島から北へ向かって北の大きな陸を目指す。
そこからちょっと東に向かって、ちょっと坂を登った黄色い看板があるところだ。
近くに色とりどりの機関車があってそれに乗っていけば、あっという間に着く。
外を除けばたくさんの電灯が光って綺麗だ。
陸の上を走り、海の上を走っていく。
きっと月に照らされたこの機関車は黒いシルエットになっていて、美しい光景を見せているに違いない。
そんな幻想的な景色を眺めていたら、あっという間にバケのレストランの近くに着いた。
電車を降りて、ちっちゃな坂を上がっていくとすぐに横に長い黄色い看板が見えてきた。
窓からお店の様子を覗いてみると、忙しかったのだろうか、バケは椅子に座って休んでいた。
そんな様子にちょっと可笑しくなりつつ、入り口のドアをガチャと開けた。
ようこそ!
バケは僕たちのためにとっていてくれた席へ案内してくれた。
バケのレストランはくつろげて落ち着く。
バケの好きな本がたくさん棚に並べられている。
バケの作った料理はとても美味しい。
バケの料理を食べに周りの席もたくさんのお客さんで埋まりだして賑わっている。
サラダにパスタ、ピザ、自家製ソーセージにハム、ガーリックトースト、腕をふるって作ってくれたチキン。
お腹がいっぱいになって、まったりしていたとき、バケが僕たちの席にやってきた。
お客さんも帰り、入り口の席は電気が暗くなっていた。
バケの今日のお仕事は終わり。
三人で力が抜けて、コーヒーを飲み、楽しい話をして、まったりとした楽しい時間を過ごす。
そのときの時間というのは、緩やかであり、過ぎ去るのは早いものだ。
近くで「ひっくひっく」としゃっくりが聞こえた。
しゃっくりって久しぶりに聞いたよな、なんて心の中で思っていた。
強いしゃっくりや弱いしゃっくり、独特なしゃっくりと織り混ざっていったときに、なんともいえないおかしさに包まれ三人は吹き出してしまう。
ああ、もうこんな時間なんだね。
近くで聞こえしゃっくりはお開きの合図。
それでは、また今度ね。