シャシャッ!
シャシャッ!
シャッ!
シャシャッ!
授業の静かな時間の中、教室にある先生机で先生が採点している音。
あの赤マジック。
あの赤マジックでつけてくれた花丸満点印。
帰ってきたノートについていた時、とても嬉しかった。
次もつけてもらえるために頑張ろう、と思った印だ。
先生がつける花丸印の形はとても美しく、真似をしてみようと何度も練習したが、一度たりとも納得のいく形にはならなかった。
図形に終始したばかりに本来やるべき学習を怠ることとなり、花丸満点をつけてもらえることは少なくなった。
しかしながら、誰も気にしない形について、あれこれ考える人生を歩んでいるわけだ。
分からないものだが、きっと、それにこそ、自分という人間を解きほどくヒントがあったのだろう。