そんなに多くはなかったが、授業でエプロンが必要な時があった。
自分が欲しいものを持っていけなかったので、楽しい料理の授業も気が乗らなかった。
たったそれだけで…いや、子どもとはそういう生き物なのだ。
その気持ちを埋めてくれるエプロン作り。
デザインだって自分の好きなものを選べる。
そして自分で作るわけだ。
わくわくしないわけがない。
ミシンや裁縫道具を駆使し、作るわけだが、決して簡単ではなかった。
その末に完成した喜びとは格別のものだった。
決して上手ではない縫製が風にあおられ踊っている。