彼も誰しもと同じように日々を生きている存在。
ご飯を食べたり、ゲームをしたり、本を読んだり、散歩したり、仕事をしたりする。
それらによって、思考をしたり、感情を覚えたりもする。
彼もまた岐路に立ち選択と決断に迫られることもある。
そして苦悩もするし苦しむこともあるし逃避することもある。
誰しもと同じように自転と公転を繰り返し、再び同じような事柄に遭遇し、見たことのあるもののようにフラッシュバックする。
誰かにとってどうでも良いことであるなのに、彼にとってどうでも良いことではない気がして立ち止まらせ悩ませるのは、彼にだけでも大切なものであって、それはたった一欠けらの小さなものであるのだけれど、星のように輝くものであって、その星を見たどこかの誰かの何かになりえるのだ。
そうやって軌跡に変化が起きていく。
幼き頃の小さな軌跡は確かに少しずつ大きくなっていった。
彼とは私たちを映し出す鏡の中にいる存在なのかもしれない。