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短編漫画コミック ひょうたん イラストレーション

短編漫画コミック「ひょうたん」

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はじまり

妙にひょうたんを描きたくなってきた。
アクリル絵の具とポスカを使って、ピンク色の紙にひょうたんをいくつか描いてたら楽しくなってきた。
ひょうたんって吸い込まれるんよな、と、子どもの頃に見ていた西遊記とかの世界観を思い出しながら、一人の男の子を登場させて吸い込まれていく絵を描いて、コミックテイストに仕上げようと考えた。
ひょうたんに吸い込まれて、ひょうたんの中で楽しく飛び回る男の子の話。
楽しく飛び回るだけで終わっていくのは気持ちが悪い、ということで人の一生を短い時間の中で閉じ込めることにした。

ああ、僕は死ぬ準備を始めているのだな、と思った。
20代というのはこんな感じで生きているのだろうな(実際は想像とは違うものだった。。。)というものが、だいたい想像できたものだが、30代についてはまったく想像がつかず、イメージも沸かなかった未知の世界だった。
まさか僕が30代を生きているなんて思ってもいなかったが、気づいたら30代に突入し、世間でいうアラフォーに。
見た目は大人??中身は子ども(僕を知る人には男児であったり、永遠の若手などと揶揄されることもある。)。
ふと、もっとしっかり生きなければ、と思うこともごくたまにあるが、そんなことどうでもいいや、生きることさえやめなければ、と尻を一瞬叩こうとするが、その先のことを忘れ歩きだすのだ。

20代を生きる中で苦しかったことや、死ぬほど辛かったことなど現在では、なにも感じなくなるし、笑い話にもなっているし、楽しかったことや好きだったことがそうでなくなっているし、30代でのそれらもだんだん味がしなくなっていき、新しいものに興味を抱けるわけでもなく、触ってみても特に面白いと感じるわけでもなく、じゃあ生きていて何が楽しいかといったら、特別なことやもの、またはものを得ることによってではなくて、シンプルに生きていることに幸福を感じている、というのが近いのだろうか。
この世の幻、というものに少々飽きがはじまっているのかもしれない。

死ぬ準備を始めている、というのは穏やかな表現ではないが、自死ではなく、今すぐ向かうとかそういうことではなくて、生まれた時からはじまっていることを最近はしみじみと感じるようになった、ということだ。
自分はどのように終わるのかは、これからのことなので分からないが、少なくとも今現在、いろいろとあったものだが、今迎えがきたとて、しゃーないか、と思うのだろう。
そりゃあ、そういえども多少の後悔の念は残るでしょう。
そんなものでしょう。

 

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