巣立ち
青が広がる晴天の空の中、歩道橋を渡り向こうの道へ向かっていた。
橋の真ん中あたりにさしかかろうとしたところ、ふわふわとたんぽぽの綿毛が僕の前を横切っていった。
柔らかな風にのりながら、なんのしがらみもなく、自由に飛び立っていく綿毛の姿を追いかけた。
どこへ向かっているのだろう。
降り立つところは決めることはできない。
お花畑の広がった楽園のようなところに着地するか、自然の恵が期待できない過酷な環境なのか。
それがわからないままに、風の流れにまかせて飛び立っていく。
どんなところに降り立とうと、彼らは最後に美しい花を咲かせ、人に新しい季節のはじまりを知らせる。
雨に打たれたことも、強風に煽られたことも、外敵につつかれたことも、知られないまま、そこで美しく咲き誇り生命を全うする。
意味などあるのかないのか、分からないまま繰り返し繰り返し生命活動を絶やさず繰り返す。
どこへ行こうとも、きっと美しい花を咲かすのだろう。
そんなことを思いながら橋を渡り、僕がいく道を歩いた。
今日の作業用BGM
Matisyahu / King Without A Crown
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