bow's Design(ボウズデザイン)

簡易 版画

「無意味なこと」イラストレーション

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とりあえず線をひっぱってみたかったから、
使い道に困っていた板に彫刻刀で少しずつ
彫ってみた。

良い木ではないからなのか、
腕がよくないのはわかっているけども、
そもそもやり方が違っているのか。
細い線を一本いれるのにも大変。
刃を入れた縁がギザギザになって
気持ちが悪い。

太い刃に持ち替えて線を太くする頃には、
腕に力が入って、血管が浮き出ていて、
ちょっと気持ちが悪い。

うまいこといったときに、刃が木を削る
「ゴッ」というのか、その音が心地よい。
気持ち良い。

なにを作るか決めていないから、
ただただこの工程を楽しんでいる。
そうそう、小学生の図工の時間を思い出しながら。
あの時は何を描いたんだったっけ??
思い出せないけど、ただ楽しかったのを少しずつ
思い出してくる。

線の数が増えているほど、あの時の楽しさが
鮮明になってくる。
ただ何を描いたかは、やっぱり思い出せない。
使った木や、彫刻刀、インク。
インクの香り。

インクは持っていなかったから、
アクリル絵の具の黒をぐにゅーっと出して、
ええ感じの水を入れて太い筆で線を囲み
画用紙を貼り合わせた。

まったく無意味な時間とことをやっているな、と
笑ってしまったのだが、あのときの感覚と楽しさを思い出した。
目的や意味とかを前提に多くの時間を過ごすわけだけど、
なんだろうか、このすっきり感は。

がちゃぴんのお腹みたいなんができた。

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