夜道の中、月明りに自分の影が映し出される。
だから、月を見てみるわけだ。
ああ、今日はまんまるで近くて明るい月だ。
視界の中でひときわ目立って輝く星があるから気になってそちらを見る。
あの遠くで輝く星の光は波打ちながら一瞬にして瞳に突き刺さる。
あの星を囲むように広がる光の輪郭は、目の錯覚なのか、何かの形を見せてくれているようで、あの光は輪郭を形成する核のように思える。
闇に慣れた瞳は、光の輪郭の中に無数の星があることに気付かせてくれる。
いくつか捉えることができた星を結んでみたならば、例えてみることができるものが浮かび上がった。
あれは鳥だよ、というと、小さな子どもたちから歓声があがった。
そして予測に基づいてその軌道に細かな点を打つことができ、より具体的な形が浮かび上がる。
遠くにあるもの、近くにあるもの、強弱をつけて点を打つ。
どれくらいの時間が経っただろうか、大人たちが自由に羽ばたいて飛んでいる鳥を見たという。
今日の作業用BGM
tom misch / summer