ずっと遠く向こうから。
水平線を越えた消失点から、
現象とはやってくる。
現象が目視できるまでに、
数々の遮蔽物を乗り越え、
緻密に、計算高く、人工的に訪れる。
そして僕たちが目視できるところで、
その消失点は見えないどころか、
気付かないようになっている。
物事とは因果がある。
今日の偶然と奇跡に、
僕たちは何を思い、
何を語らったのだろうな。
偶然のふりをしてそこにあったやかんを手に取り、
湯を沸かし、用意しておいた珈琲を手に、
今、珈琲が完成してデスクに戻る。
珈琲の表面に映った自分が見えて、
ふと、不思議な事だ、と作業に戻るわけだ。

自分の身近にある人や物というのは、
偶然なのか、奇跡なのか、軌跡なのか、それとも必然なのか。
そしてその逆も然り。
離れていくもの、離してしまったもの。
話すべきこと、話せなかったこと。
それらの交差が「ずっと遠く向こうから」周到に用意されていたのだとしたら。
私たちは、誰の描いた消失点の上に立っているのだろう。











