以前仕事で商品のPR動画(なかなか良い出来ではあったが、結局お披露目という形にはならず個人作品となってしまった。)を作る際に絵コンテを描いた際に登場してきた浴衣にお面を被った少年を思い出し、このキャラクターを用い、また違った物語を考えてみようと思ってお面を描いていた。
粗方シナリオの筋は立ったが、起こすのが大変で億劫になる。
筋書き通りに起こしていくと、改めて見てみると、ここは矛盾しているのでは…??これを足した方が良いのでは…??などなど、進めれば進めるほど、なにやら量が増してまた進めていくのが億劫になる。
良い言い方をすれば、「寝かす」ということなのであろうが、仕上がったら仕上がったでひと先ずは満足するものの、喜びでそれから視線を外し、また視線を戻してみると、「おや…??」と、なにやら見えなかったものが見えだすものだし、寝かしたところ、あれだけ悩んでいた箇所は何事もなかったかのように忘れ去りそのままいくところさえあったりと、結局のところ、新鮮な気持ちと勢いのまま突っ切ってしまった方が良いのかもな、となかなか難儀なものである。
が、如何せんそのような腕がないもので、溜息ものであるし、作る、というのは、何かから感じたものや思ったことを表現するのだから、時が経れば、ふれたものの見聞は幾らか広がり、それらに対する思いや考え方も幾らか変化していくものであって、表現される形も当然に変化してくものだ。
まさに人生、その過程の記録のようなものに思える。
完成の句読点を打ち、終幕とともに結論のようなものがあったとして、そこからまた物語の始まりなのである。
作りたくなくても、作り続けないといけない気がする、というやつだ。
浴衣を着た少年が画面越しにこちらを眺めているではないか。
あなたは何を見、何を感じたのか、と。
今日の作業用BGM
Gregory and the Hawk / Oats We Sow